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第25話  追いつめられて①※

 年末のショーはさらにハードだった。  クラブの店じまいは、12月27日。  そこから10日ほど、休みに入るため、最終日の27日は、ショー奴隷3人によるスペシャルショーが開催された。  ショーのラスト。  椿が参加させられたのは『除夜の鐘』だった。  天井の滑車から吊された、ブランコのような長方形の板に大股を開いて跨がり、板の両端に付いた留め具で両足首を固定される。  椿がつかまれるのは、ジャリジャリと動く、ブランコの2本のチェーンだけ。 「うっ……くっ……ウッ……!」  わずかに前に傾いた板の上で、チェーンを握りしめ、ふんばる椿の前に回ったピエロ男は、 「最後は『除夜の鐘』だ。おまえが鐘になって、108回、お客さまにディルドーでおマンコを突いてもらう。一突きごとに、『ゴーンッ!』と大きく声を出せ。お客さまが気持ちよく年を越せるよう、しっかり役目を果たすんだぞ」 「……はっ……いっ……!」 「よし。では、ディルドーを入れやすいよう、アナルを拡げてやる」  黒服が持ってきたステンレス製のクスコを、ピエロ男は、椿の眼前に突きつける。 「あ……」  黒光りするその鋭利な先端に、椿は瞳をふるわせる。  ブランコのチェーンをひねり、客側に尻を向けさせたピエロ男は、 「さて。さきほど無様きわまりない浣腸脱糞で、きれいにさせていただいたこのケツマンコ!   きちんとうんこを出しきったかどうか、ケツ穴を開いて確認してから、最後の見世物をさせていただきますね」  客に説明する。 「おっ、いいぞ! もしもクソが残ってたらまた浣腸してやれ!」 「もちろんです。でははじめましょう」  ひとりの黒服がブランコを固定し、もうひとりの黒服が、椿の尻穴を左右に拡げる。  スポットライトを浴びて光る、むっちりした張りのあるケツ。    スクリーンに大映しになった椿の尻に、 「この奴隷は、可愛い顔してるのにケツがでかくてエロいですよな」 「おマンコも最初のころよりスケベな縦割れになってきてませんか?」 「そうそう! まるでタコの吸盤みたいにぷっくら膨らんで」 「おっ……見てください。ケツ穴がみるみる拡がってきましたよ」 「おおっ、すごい……おマンコの奥までがっぱり丸見えだ」  観客は好き勝手な話をはじめる。 「うっ……!」  くっぱぁ、と開かされたアナルのピンク色の襞が、スクリーンに映し出される。 「ごらんください。どうやら、うんこはなさそうです」  客席から、どっと笑い声が起こる。 「よかったな、もうあんなひどい脱糞ショーはしなくてよさそうだぞ!」 「逆さ吊りにされて、自分の顔にクソしちまったもんな~」  ピエロ男はクスコのネジを留めて固定する。 「ウッ……! ウゥッ……!」  アナルを拡げられた椿は、激しい羞恥と痛みにプルプルと打ちふるえる。 「――では、今年も最後ですので、がんばったこの奴隷のおマンコにもごほうびをやりたいのですが、どなたか、ローションを入れるのを手伝っていただけないでしょうか?」  我先にと手を挙げる客から、常連の客をひとり選び、ステージに上がってもらう。 「ありがとうございます。ではこれを――」  細長いノズルのついた、イチジクのような形の容器を、客に差し出す。 「中のローションに触れるとかゆくなってしまいますので、蓋を開けたらすぐおマンコに突っ込んでください」 「ほう――わかった」  小太りな中年男は、クスコでぱっくり開いた椿のアナルに、 「ほら! おマンコローションたっぷり味わいな!」  蓋を開けたノズルの先を突っ込み、容器の腹を押し、その中身をズプズプ注ぎ込んでいく。 「あっ……! あぁっ……!?」」  猛烈なムズ痒さを感じた椿は、 「うっ……? なっ……? かっ……かゆいっ……! おしりっ……! かゆいっ――よおっ……ぅっ……!」  ブランコのチェーンをギシギシ揺らして悶絶する。 「……これは?」 「ローションです。体内に入れると猛烈な効果を発揮するシロモノですよ」  芋の茎に含まれる独特な成分がかゆみを引き起こす、それは――昔から淫具としてひそかに使われていたモノだった。  少量ずつ使ってくださいと注意書きに書いてあるローションを、全部一気に入れられたのだから、たまったものではない。  尻のナカを大量の虫が這っているような気持ち悪さに、 「ぃっ……! いっ! いやっ――ぁっ……! とっ……とって! ……とってッ……えぇッ……!」  椿は、泣きながら訴える。 「おおすごいな、ケツのなかが真っ赤にうねってる」 「あれは、洗浄しないとまずいレベルですよ」 「さすが、ごほうびといいながら、えげつないモノを用意してきますな」  泣きわめく椿の首に、ピエロ男は、リード付の首輪をカチャッと嵌める。 「これくらいガマンしろ。さ、はじめるぞ」  リードを持ち上げられた椿の首が、「グッ――エッ……!」と強く締まる。  ピエロ男はブランコをゆらゆら揺らす。  黒服スタッフが、ワゴンに、ドリル式ディルドー、ニップルリング、ブジーなど大量の責め道具を載せて運んでくる。  さらにもうひとりのスタッフが、大型ボトル入りのずいきローションと、ローションを塗るための筆を数本、洗面ボウルに入れて持ってくる。 「このずいきは、まだまだありますので、奴隷のからだにたっぷり塗ってやってください」  スタッフが、大きな洗面ボウルに、ずいきローションをなみなみと注ぎ込む。 「ディルドーは、おひとり5回ずつ、アナルにぶち込んでください。今回のディルドーはドリル式になっております。手元のスイッチでONにしていただき、お好きな強度でピストンやってしてください。  今年最後のショーですので、おマンコ以外も思う存分、可愛がってもらってけっこうです。――では、一番テーブルのお客さまからどうぞ」  最初の客たちが4人、わいのわいの楽しそうにステージに上がる。 「鐘はどうやって鳴らすんだ?」 「はい。こうやってブランコのチェーンを持ち上げて思いっきり押してください。そうすれば――」  後ろで待ちかまえていたスタッフが、クスコで全開になった椿のアナルに、ドリルディルドーをドュルルルルッ……と突き入れる。 「……ギィ――――ッ……!」 「ギィー、じゃなくて、ゴーン、だ。頭が悪いな。やり直し。ゴーン、といわないとカウントしないぞ」 「はッ――あっ……!」  腹のなかでうごめくのエキスに悶絶しながら、 「ゴッ……ゴ――ンッ……! ゴォ――ッ……ンッ……!」  と叫ぶ。 「一突きにつき「ゴーン」は一回だ! ちゃんと鐘の音らしく、しっかりのばせ!」 「……ッ……! はっ……いっ……! ぐっ……! ゴ―――――――――――――ッ……ンッ……!」  丸見えの尻穴をディルドーでドリルされながら、椿は声をはりあげる。 「ははっ、なんといじらしい。こんな茶番を一生懸命演じおって」 「この子はひどいことをされればされるほど感じる真正のドマゾですからな。その証拠にほら、チンポがもうおっ()ってきてますよ」 「せっかくですから、もっと勃たせてイキ地獄にしてやりましょう。――こないだのショーで使った催淫剤はあるか?」 「もちろん。すぐにご用意させます」  ピエロ男は、バックヤードから、外国製のエクスタシーローションを持ってこさせる。 『HOT! AMAZING! HIPERECSTASY!』  とチューブにデカデカと書いてあるそれは、キメセクに近い快感をもたらす強烈な催淫剤だった。  ずいきローションと並べて、ステンレストレーに置き、 「どうぞお好きなだけお使いください」  ピエロ男はいう。 「どれどれ。ワシはまずこのずいきをおっぱいに塗るかな」 「では私がこっちのおっぱいを……」 「私はこの電マでタマ責めといきますかな」 「では私はこのエクスタシーをチンポに……」  客たちは、それぞれ好みの責め道具を手にとり、椿に近づく。 「ひっ! いっ……!」  ずいきローションをたっぷり含ませた筆で両方の乳首をくすぐられる。 「いっ! やっ……ぁっ……! かっ‥‥…かゆいっ! ……かゆいよぅッ……!」 「金玉がボールみたいにパンパンだぞ。ダブル挟みで潰してやる!」 「オッ……オッ……! ウォッ―――――――ンッ……!!!」  タマ袋に電マをハの字に押しつけられ、「イッ! 死ぬッ! 死んじゃうっ!」と泣き叫ぶ。 「へへっ、だいじょうぶだ。死なない程度まで苛め抜くだけだからなぁ~」 「……ウッ……! ぐっ……! あぁッ……!」  蓋を開けた催淫剤のチューブを亀頭にあてがった客が、 「そらっ! 地獄のエクスタシーでイき狂いやがれ!」  ジェルをチンポに流し込む。 「……ヒッ……いッ…………! ―――――――オオッッ……ォンッッッ……!」  もんどり打った椿は、勢いあまってブランコから転がり落ちる。    床に倒れた椿を、首輪のリードをつかんで持ち上げたピエロ男は、 「ふんばりのきかないクソおマンコめ。――しかたない。お客さまがもっと楽しめるよう、縛り直してやる」  黒服に持ってこさせた緊縛用の縄で、両手を後ろ手に回し、胸と股間とまとめて亀甲に縛り上げる。  ブランコの板から外した脚の膝裏に縄を通し、M字に開脚させ、その縄と上半身の縄でバランスをとり、天井の滑車に吊るす。 「……ゥッ……グッ――うぅっ……!」  からだのあちこちに食い込む縄に、椿は、呻き声をあげる。   「おおっ、こういうのも古風でいいですな」 「捕らえられた忍者みたいだ」 「……そうだ、おっぱいとチンポにも縄をつけて、ひっぱっておマンコを突くのはどうでしょう?」 「いいですな!」 「ではさっそく――おい、この奴隷の乳首とチンポを縛れ」 「かしこまりました」  ピエロ男は、椿のチンポとタマ袋をまとめて縛った細身の紐を前に垂らす。  さらに、クリップで固定した乳首から、黒いボールの付いたニップルクランプを吊り下げる。ゴルフボールほどの大きさの鉄球に引っぱられた乳首が、びろーん、と無残に垂れ下がる。 「……イッ……! いたいっ……! いたいよぅッ……!」 「このボールは連結して増やすことが可能です」  ピエロ男は、ボールをバチバチ叩いて左右に揺らす。 「おっ! ウッ……!」 「乳首はこのチェーンを引いてください」  ニップルクランプのチェーンをぐいっと引き上げられ、「ヒイィッ……!」とのけぞる。 「ははっ、さすがだ」 「あんまり乳首をいじめてはかわいそうじゃないか」  客のひとりが、クリップで潰された乳首に、細身の筆で催淫剤を塗り込む。 「……フッ……! ホッ……! おっ――……ンッ!」 「チンポと金玉にも塗ってやりますか」  別の客が、太めの平筆で、チンポとタマ袋にエクスタシーローションを塗りたくる。  さらに他の客が、ずいきローションの筆でその上をなぞる。 「……オッ……! いっ……! いたいっ! かゆいっ!」 「クリチンポからスケベ汁が垂れてきてるぞ!」  ずいきの筆で亀頭をズブッと突かれる。 「……ごッ……!」 「乳首もピンピンに尖らせやがって。気持ちいいのか?」  筆でグリグリと乳首を潰され、 「……はっ……はっ…………いっ……!」  と息を喘がせる。   「舌出してハァハァして、みっともない。鼻水もなんとかしろ!」  鼻の穴にぶっ込まれる、ずいきの筆。 「フッ……! ……ゴッ……ホォッ――――ッ!」   「ははっ、鼻の穴が開きっぱなしだ。まるでブタだな」  汗と涙と鼻水まみれで苦しむ椿を、客たちはあざ笑う。  「さて――そろそろ準備は整いましたかな」  筆を置いた客たちが、首のリード、ニップルチェーン、チンポの紐をひとつずつ手にする。   「では、私はディルドーを」  尻側にいた客が、ドリルディルドーのスイッチをONにする。  ブブブブッ……という振動音が響き、紐を同時にひっぱり上げられたその瞬間、椿は「ヒィッ!」と叫び声をあげた。  

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