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第45話 タ・ス・ケ・テ(モブ姦/小スカ)※
(……ん?)
見覚えのない電話番号から届いたショートメールを開いた草薙は、その文面を見て、ガタンッと椅子から立ち上がった。
「……どうしたんですか?」
――がやがやと人の出入りする警視庁捜査一課。
隣のデスクの鳴門刑事が声をかけてくる。
「……三浦椿から連絡が来た」
険しい表情で草薙はいう。
「新宿のM公園でレイプされる。助けて――と」
※
「……なんかもうひと稼ぎしたいよな」
――イギリスに発つ一週間前。
生配信のはじまる直前、司はいった。
「イギリスに帰ったら、しばらくネット配信できねぇじゃん」
「3学期から留学させることになったんだろ? 冬休みに入ったらすぐ連れていって、向こうからまた配信すればいいじゃないか」
黒幕の前でカメラの位置を調整しながら、統は答える。
「そうだけどさ……最後に日本でぱーっと面白いことしたいというか――刺激がほしいんだよ」
「だったら、オフパコ会でも開く?」
「え?」
「視聴者から金とってこいつとヤらせるんだよ。そうだな……ひとり10万として、10人集めて100万稼げるぜ」
「……マジか」
「ああ。今日の配信で募集してみようぜ」
熱狂的なファンのいる椿のオフパコ会には希望者が殺到し――DMで教えた口座に金を振り込んだ10人に連絡をとった。
オフパコ会当日。
出かける直前に浣腸をされ、「ふっ……うぅっ……!」と脂汗を浮かべた椿は、
「ごっ……ごめんなさい――なんだか朝からおなかの調子がわるくて――……部屋にある胃薬を飲んできてもいいですか……?」
腹を押さえながら聞いた。
「しかたねぇな。トイレに出してから飲んでこい。ちゃんと全部出しきってくるんだぞ」
「は……はい……ありがとうございます」
ヨロヨロとトイレに行き、便を出してから、部屋に行く。
ベッドの上に置いてあったスマホをさっと取り上げ、暗記していた草薙の番号にショートメールを送る。
出かける直前のいま――スマホをチェックされることはないだろう。
リビングに戻ると、乳首の上を細長い線状に通り、股間をハイレグのように覆う下着を付けられた。
「うっ……! んんっ……!」
絞めつけられるチンポと、アナルプラグの入った尻穴。
白いシャツと、ブラックジーンズを着せられ、統の運転する高級車のセダンで家を出る。
公園近くのコインパーキングに車を停め、歩く。
薄暗くなった公園に、人の気配は少ない。
両側からがっちり椿を挟み込んだ兄弟は、公衆トイレまで来ると、昼のうちに近くの茂みに隠しておいた『清掃中』の看板を入り口に立てた。
車いす対応の、手洗い所のある広めの個室に入り、洋式便座の蓋を閉めて、椿を跨らせる。
脱がせたシャツとジーンズをドアにかけ、下着一枚にして、両手首をまとめて後ろ手に縛る。
目もとを黒いハチマキできっちり覆い、口にボールギャグをかませる。
「……ッ……! ……!!!」
小刻みにふるえる椿。
視界が塞がれたぶん、恐怖心が倍増する。
……それからしばらくして、男たちが、トイレに入ってきた。
「どーも」
配信のときと同じ目出し帽を付けた兄弟が笑顔で挨拶する。
「DMでお知らせしたとおり、顔出しはNGでお願いしますね。ひとり5分。ナマ出しはオッケーです」
「おっ……おおっ……!」
個室に入ってきた男たちは、「ホンモノのカメちゃんだ……!」と鼻息を荒くする。
「しかもすごいエロい格好!」
――椿は、乳首とチンポとアナル周りだけ、下着を丸く切り取られていた。
エロ下着から性器をはみ出させ、目もとをハチマキで塞がれ、ボールギャグを嵌められた口からダラダラ涎を垂らした煽情的な姿に、「うー、もうチンコ勃ってきた」とペニスを取り出す者もいる。
「まぁまぁ順番で。まずは整理番号1番の方から。カメのチンポと乳首は自由に弄ってもらっていいんで。んじゃ、はじめますよ」
「うっほっー! やったね! カメちゃんのナマおマンコ一番乗り~!」
太った若い男が、先走りの汁のほとばしるペニスを、椿のアナルに突き立てる。
「……ンッ……! ……ッ……! ……!」
「んぉ~……! カメちゃんのおマンコあったかい~! おっぱいもいじっちゃおっ。……あっ、ピンピン尖ってきたよぉ~ホントいやらしいおっぱいだね♡ おちんぽも先っぽクネクネッ……あっ、たってきたッ、たってきたッ♡ カメちゃんの生スケベ汁舐めちゃおッ……んっ、しょっぱっ……! おほっっ! もっ! イきそっ……! おマンコの中に出しちゃうぞッ……!」
一方的にまくしたてた男が、椿のナカにドピュドピュッ……と精液を放つ。
「――あと2分です」
「えっ? もうそんなっ……? じゃあもう一回いれるぞっ」
両脚を持ち上げ、ズチュッとアナルをねじ込む。
「うっ、ザーメンでぐちょぐちょになったおマンコッ、熱っ。おっぱいも舐めてあげるね♡ えいっ、噛んじゃうぞっ……アッ、おマンコキュウッって締まった! もーカメちゃんたらやっぱりドマゾなんだねっ♡」
(うっ……うぅっ……!)
男のペニスは短小で、巨根に慣れた椿にとって、入っているのかいないのかわからないくらいのシロモノだった。
が、知らない男にナマで出されるのは、総毛立つほどおぞましい。
「はい。終了っス」
半ば強引に男を引き剥がし、「いちど洗浄しますね~」と壁に向かい立たせた椿の尻穴に生理食塩水の入ったシリンジを入れ、ナカの精液を出させる。
「……ッ……! ……ゥッ……!」
横に拡げられ、プシャーッと精液混じりの水の飛び出してくる尻穴を、「おおっ……!」と覗き込んだ男たちは、
「やっぱエロいな、カメちゃんのおマンコ……」
「まわりのシワシワもはっきり見える♡」
「指突っ込みたいなぁ!」
動画配信のときのように、感想を述べはじめる。
「次、2番の方~」
「あっ、はい! おれおれ! 立ちバックでもいい?」
「お好きにどうぞ。ただしお時間だけは守ってくださいね」
「ラジャー! おっし! まずは指マン!」
(おっ……! おぉっ……!)
片足を持ち上げられ、クチュッ、クチュッ、と尻穴を指で抉られ、チンポがムクムクッと勃ちあがる。
「あっ、カメちゃんのチンポがおっきした!」
「いいぞ、そのまま手マンに持ち込め!」
男たちが前に殺到し、わいのわいの煽りはじめる。
調子に乗った男は、親指以外の四本の指で、椿のアナルをほじくり回す。
(あっ! そんなっ……! イッちゃッ……!)
「でたっ!」
「カメちゃんのケツマンコアクメ!」
「ケツだけでイッたぞ!」」
小便をする犬のような恰好で、トイレの床にザーメンをまき散らした椿に歓声が上がる。
「ははっ。手マン成功!」
ガッツポーズした男は、「おっ時間がなくなるな。じゃあおマンコもいただくぞ!」そのまま、後ろからガンガン尻を犯す。
中出しされ――再び尻穴を洗浄される。
(あ……あと8人……)
次の男は、便座に座り、膝の上に向かい合って座らせるポーズをとらせた。
騎乗位でペニスを突っ込み、ズコズコ突き上げながら、
「はっ! すげぇ、おまんこウネウネ締め付けてくるぞ! このエロマンコ奴隷が!」
鬼畜モード全開で攻めたてる。
ガクガクと揺さぶられ、尻穴を容赦なく抉られた椿は、目を覆うハチマキの隙間からぽろぽろと大粒の涙を流す。
(も……もういや……)
もしかしたら――あの刑事に送ったメッセージは届かなかったのかもしれない。
電話番号がまちがっていたのかもしれない。
このままここで10人の男たちに犯され、家に帰ったらあのメールを兄弟に見られ、地獄の責め苦を受けるのか。
(助けて……たすけて……)
3人目の射精が終わり、便座に顔を押しつけられ、大股を開いて尻穴にシリンジを挿入される。
冷たい生理食塩水に腹が冷え、チンポから、ジョロロロッ……とこらえきれなかった小便が漏れる。
「あっ! カメちゃんのウレションだ!」
「配信と同じ色!」
「まっ黄色だ」
「アンモニア臭いな」
「生ションえっぐ」
(うっ……! あぁっ……!)
惨めさに涙がとまらない。
床にできた小便溜まりを見た司が、
「あーあ……すみませんね。罰としてひとり一回ずつケツ叩いていいっすよ。掃除道具持ってくるんで」
と個室を出る。
「やった! おしりペンペンの罰ゲット!」
興奮した男たちが、椿の尻を次々に叩いていく。
赤く腫れあがった尻の穴から、奥の方にあったザーメンがブコッと噴き出す。
「うっひょーカメちゃんのザーメン噴水!」
「もっとたくさん入れてあげるからね〜♡」
盛り上がる男たちを背に、トイレの入り口付近にあった掃除用具入れから床用モップを取り出した司は、
(これでいいかな……)
モップを手に個室に戻ろうとしたそのとき、大きな影に目の前を塞がれた。
「あ――」
仕立てのいい、シルバースーツの襟が目に入る。
視聴者ではないと察した司は、
「そこに看板があったでしょう。いま掃除中で――」
といいかけた瞬間、みぞおちに拳を打ち込まれ、「……ゲホッ……!」と崩れ落ちる。
「何すっ……!」
起き上がったところをまた殴られ、矢のような鉄拳を次々に食らう。
「司――」
男たちの輪から出てきた統が、小便器の前の床で血まみれになってのびている司の姿に目を見はる。
指をポキポキ鳴らしながら近づいてくるサングラスの男。
印象的な銀髪と、シルバーグレーのスーツ。
胸ポケットから瞬時に取り出した短銃を統のこめかみに突き付けた男は、
「ここで殺されるか――そのコを自由にするか、どっちか、選べ」
とすごむ。
「あっ……あぁっ……」
ぐいぐいと押しつけられる銃の硬さに身震いしながら、「や……やめてくれ……自由にするから――」と統は答える。
「えっ……? けっ……拳銃……!?」
ただならぬ事態に気付いた男たちが、ワーッと蜂の子を散らすように逃げ出す。
統も、床に転がった司を引きずりながら後に続く。
個室トイレの便器に押さえつけられ、尻穴をほじくり回されていた椿は、やっと刑事が来てくれたのだと安堵した。
後ろから、ハチマキとボールギャグを外され、「ありがとうございました――」と振り向いた瞬間、ことばを失う。
そこにいたのは――――銀だった。
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