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第2話
俺は俺の買い手を見て絶句した。
それもそのはず、その人物はうちにいた奴隷の一人、オリヴァーだったからだ。オリヴァーは幼いころにクソ親父に買われてうちにやってきた。
それ以来俺専属の召使になっていたが、うちの没落と共にどっかに売られたはず。
それが何で目の前にいるんだよ。
如何にも高級な服を身にまとい、その後ろには執事らしき人物も見受けられる。
「こちらが今日からお前の主人になられる、オリヴァー・ネヴィル様だ。挨拶をしろ」
俺の頭の中にはクエスチョンマークが浮かび上がり、唖然としていた。
「おい、挨拶しろって言ってるだろ!」
あまりの驚きに呆然としていて、挨拶しろという言葉を無視してしまい、怒っているのだろう。
まぁ、聞こえていたとしても挨拶なんてする気はなかったけどな。
一向に挨拶をする気のない俺に嫌気が指したのか、俺の頭をわしずかみして思いっきり下げさせられた。
「すいませんねぇ、こいつ入ってきてすぐ売られたから躾がなっていなくてねぇ」
謝罪を口にした商売人に対して、大丈夫ですよ、と笑顔で答えてから早く準備を済ませるよう急かした。
それを聞いた商売人はそそくさと俺に首輪を付けた。
奴隷だという証の首輪。
主となった人物の血を込めて奴隷に嵌めることで契約が成立したことになる。
これで俺は完全にオリヴァーの物になってしまったってわけだ。
自分の奴隷だった奴に買われる、これほどまでの屈辱はない。
「これであなたは僕の物ですね」
オリヴァーは首輪のついた俺を見て不気味な底知れない笑みを浮かべた。
俺はその笑みにこれから起こるであろうを想像して絶望感に襲われた。
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