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甘い契約

僕を見つめたまま彰人は手を取って、パーティーの行われているホテルへと連れて行った。  フワフワとおぼつかない足取りで彰人に引っ張られてホテルの中に入り、エレベーターのボタンを押した彰人が、「やばいな」と呟いた。 「何?」  聞き返すと彰人は、「抑えきれない」と呟いて天井を仰ぎ見た。  その首が赤く色づいていて彰人の興奮が見てとれた。だから、ぎゅっと彰人の手を握り返して、「僕も」と小さく言い返して俯いた。  ようやく到着したエレベーターに乗り込んで、ぎゅっと手を握り合ったまま部屋まで向かった。  あの夜とは違う緊張感に喉が渇く。  耳の後ろから心臓の音が聞こえる。  カードキーで部屋のドアを開けて中に入ると、「シャワーを浴びたらいい」と浴室のドアをすぐに開けられた。 「スーツを脱いでくる」  彰人はジャケットを脱ぎながら部屋を横切って行った。僕はシャワーを浴びるためにドアを閉めた。  自分の身体が発情しているのが分かる。自分のフェロモンの匂いは分からないけど、身体は熱くて吐く息も熱を持っている。指先が震える。  沢木さんが発情期が重いだろうと言っていたけど、今までの発情期とは明らかに違う熱。  服を脱いで畳むと脱衣所の籠の上に畳んで置いた。籠には真新しいタオルと下着、バスローブが畳んで入れてあった。  広々としたバスには湯が張ってあった。使用感はないから彰人が入れていてくれたのだろう。シャワーとは言っていたけど、緊張をほぐすためにも身体を念入りに洗って肩までバスに浸かった。  ほぅっと息を吐く。  部屋では彰人が待っている。分かっているけどなかなか立ち上がることができない。風呂の温度は低めで上せるほどではないけど早く出ないと彰人は待ってるんだろうな。  ゆっくりと立ち上がって下着とバスローブを身につけた。  バスローブなんて来た事がないけど、肌触りの良さに自分でも欲しいかもと思ってしまった。  彰人なら自分の物を持ってそうだな。 『コンコン』  小さくノックされて、「もう出ます」と慌てて返事をしてドアを開けた。 「俺も入ってくる」  入れ替わりで彰人が入ってドアを勢いよく閉められた。

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