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甘い契約

 張り付く布が気持ち悪い。  直接な刺激が欲しくて腰が揺れて彰人の身体に何度も擦り付ける。  彰人もそれは分かっていて、ワザと擦り返されて余計に刺激される。  肌を撫でる手がパンツのゴムにかかって、ゆっくりと脱がした。足から抜き取られて、持ち上げられた足に口付けられる。膝裏を持ち上げられて内腿に口づけをされると、次への期待に身体が跳ねる。 「ああっ、んっ、アキっ」  内腿に赤く跡を付けられたのが分かって、その刺すような刺激の快感に声を上げてしまう。  なんでこんなにゆっくり焦らすのか、焦ったくてもっとと訴えそうになる。  彰人の手が腹の下の傷に触れる。二年前には無かった傷だ。そこは皮膚が薄い。  彰人がその傷に口付ける。  その傷は彰を生んだ時の帝王切開の痕だ。  初めて見るその跡に彰人は何度も口付けて、「早く見つけられればよかった」と呟いた。 「気にやむことはないよ。僕には彰がいたから」  彰がいたから一人でも頑張ってこられた。あの夜からずっとアキを想っていられた。  運命を信じることができた。  今こうして、番うことができる。二人の絆になってくれた彰には感謝しかない。 「それより……」  早くこの熱をどうにかしてほしい。  身体は熱を持って彰人を求めている。  こんなに熱くなることはこれまでの発情期ではない。  発情期には抑制剤を飲んでいるから熱くなることもほとんど無いのだ。 「ああ」  彰人は返事をすると、傷の下で既に立ち上がって蜜を垂らしているそれを舐め上げた。  下から上へとそれを舐め上げられて、「んぁっ…、あ」とゆるく声を上げてしまう。  鈴口を舌で突かれると余計に声は上がって先走りが溢れ出す。  彰人の指が後ろを擽る。  ローションなんて必要ない。αを求めて既に濡れてしまっている。  前を舌で刺激しながら縁を指で撫でられると、それを迎え入れようとますます蜜は溢れ出して、先走りと一緒になってその指を濡らしてしまう。  ゆっくりと差し入れられる指が中を擦ると、「ああっ、あ、アキぃ」と声を上げてその指を締め付ける。  それじゃあ足りないと、身体が疼く。 「アキ…アキ……もっと」

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