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甘い契約
彰人を自分の方へと引き寄せる。近づくと余計に甘い匂いが強くなる。強くなると余計に煽られる。
彰人は指を増やして、引き寄せた僕に激しく口づけをした。
互いの唾液が混ざり合って、その間から嬌声が溢れる。
嬌声が徐々に強請るものに変わる。
増やされた指が中を刺激しても、それじゃないと身体は熱くなるばかりだ。
この疼きを抑えるものを身体は知っている。
「ああっ、もっ、もうちょうだい」
焦ったくて彰人の肩に爪を立てた。
彰人は指を中に納めたままバラバラに動かすから、「ああっ、いっ……イク」とつぶやくと反対の手が前の根元をぎゅっと握り込んだ。
「ああっ、アキィッ、だめ、熱い」
頭を振って訴えると、「もう少し」と彰人が呟いて意地悪く笑う。
焦らされて熱い身体から余計にフェロコンが溢れ出す。
このフェロモンに彰人も暴走すればいいのに。欲しいと訴えても彰人は焦らすばかりだ。
彰人の指が中を探るように動く、余計に甘い声が溢れて、そこへの刺激を強くされると余計にフェロモンが溢れ出す。前からこぼす事のできなくなった熱が身体に逆流する。
「アキっ。もう、苦しいっ」
この熱を放出したい。熱い身体を解放して欲しい。
「ああ、ユキ、かわいいな」
彰人が顔を上げて笑う。
「もう少し我慢だ」
そういうと中から指を抜いて、前を押さえていた手も解いた。
まだ着たままだったバスローブを脱いだ。中には何も身につけていない。
逞しい身体がαのフェロモンを立ち昇らせているかのように見える。
欲しい。
熱い。
「アキ……きてぇ」
手を伸ばすと側に来てくれる。甘い香りに包まれる。
甘い匂いが余計に強くなる。
濡れて溢れたそこに彰人自身が擦り付けられると、飲み込もうと腰を動かす。
「早くっ、アキ、もう欲しいっ」
腰に足を絡める。
はしたないその仕草なんて構っていられない。
欲しくて欲しくてたまらない。
熱い身体を持て余してしまう。
「ほら、いくぞ」
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