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21.もっときもちよくして ***

「ひあ!!舐め…!なめるのだめぇ…!」 先走りをこぼしたハルの一物がひく、ひく、と脈動するのをユキはじっと眺めていたかと思うとおもむろに体制を変え、仰向けになったハルのまたぐらに顔を埋めてソレをぞろりと舐め上げた。 ぴちゃぴちゃと耐えがたい水音。初めて、他人からもたらされる快楽。理性が決壊しそうだ。気が狂いそうなほどのもどかしさ。 「ぁ、あ、あ、!やぁ…!!」 いやだ。きもちいい。もっとして。こわい。ぜんぶ咥えて、しゃぶって。きもちよくして。こわい、こわい。これ以上ヨくされると自分がどこかに行ってしまいそうで、自我が崩壊しそうで。 どぷり、と後ろの穴からいやらしい液が溢れ出た。それを犬以上の嗅覚を持つ獣人に気付かれないわけは無く、こぼれた愛液をすくうように長い指がアナルに触れる。 「あ!そこ、さわんな…!」 「なんで」 「なんでって…やだ…からぁ…!はずかし…!き、きたないし、…!」 いまは朝。最後に体を洗ったのは昨晩で、そこからトイレだって行ったし、それに昨日は暴漢魔に"汚されて"いるわけで… ナカには挿されておらず実際には"汚れた"わけではないのだがハルの認識としては陵辱されているわけで。そんなところを触られて"求められ"ても自分の力ではどうしようもない。 「汚くないよ、ここ使ってないでしょ」 「そういう意味じゃなぁ…!」 「じゃあおれがきれいにしてあげる」 べろりと、尻の穴を舐められた。 「ひ!?!?」 その未知の感覚に一瞬なにをされたのか分からず、全身に鳥肌が立つ。指で撫でられたのかと思った。 ハルの視界からは、またぐらに顔をうずめて、ハルの膝が閉じないように大きく開かせるユキの両手が見えて。 べろり、べろりとアナルを"舐められ"ているのを自覚して気が狂いそうになる。 「やだっなめるのやだっっ」 ピンと尖った獣の耳を持つモサモサの頭を必死でまたぐらから押しのけようとしても、尻穴を舐められながら性器をぐずぐずに扱かれるヨさに完全に参ってしまって、「っっ〜!!っ〜!!!」と嬌声を手で押さえ込むので背いっぱい。前も後ろもトロけるような未知の気持ちよさで。 耐えず溢れる愛液を飲み水のようにぴちゃぴちゃと舐めとられ、それがまた気持ちよくて永遠にヨガってしまう。愛液と獣の唾液で尻がびしょびしょに濡れていく。射精するより早く潮を吹いてしまう癖のあるハルはもうあと数秒で自分が"漏らして"しまうのを予感して「シーツ汚れる、…!」と静止を求めて叫んだけれども実際は"自分がシーツを汚してしまう"のを恐れていた。まさかホテルのラグジュアリースイートルームで、しかも早朝から"漏らす"のは絶対に嫌だと思うのに、固く尖らせた舌か、指がわからないものがヌルリとナカへ数ミリ挿入(はい)りこんだのを察して「んんんァ!」と泣いた。 だめだめ、出ちゃう、漏れちゃう。 もう自分でも潮が出るか射精するかわからない。とにかく絶頂直前のギリギリの縁を泣きながらさまよい、扱かれるまま、舐められるまま腰をがくがくと震わせる。 「〜〜〜〜っ!、、っ、〜〜!!」 なんでなんで。イきたくないのに。イかせられたくないのに。 心よりさきに身体が気持ちよくなって、感情が追いつかない。 「イぐ、っ、、イっちゃぅ……〜〜〜!、!ゥ、ァ"…!!」 イきたくない。いやらしいやつだって、アナルを舐められて絶頂する淫乱だって思われたくないのに。惨めで汚いどうしようもないオメガだって思われたくないのに。

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