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34.泡***

「洗ってあげよっか?」 「え?」 バスタブから、勢いよく上がってくるユキ。 バスタブの縁をまたぐ長い足。男のサガか、その股間に下がっているものを直視してしまって、ハルはうろたえた。 「いいって!自分で洗えるから」 「え〜〜〜いいじゃんたまには」 ユキはジャンプーを手で泡立てて、わしゃわしゃとハルの髪を洗う。 「いいってば…(笑)」 「もう洗ってるよ〜(笑)」 楽しそうなユキと鏡越しに目が合う。 (まあ…いっか…)(笑) 「お客様、お痒いところはございませんか?」 「だいじょうぶでーす(苦笑)」 「あっ…!見て!ねえ!」 「?」 鏡に映ったハルは、白い泡だらけの頭にぴょこん、ぴょこんと白い耳がふたつ生えていた。 「ハルも仲間だ〜(笑)」 「ふふふ」 「お客様、大変真っ白で美しい毛並みですね〜」 「(笑)(笑)(笑)そんな褒め言葉、初めて聴いたよ(笑)」 「そうですか〜?(笑)」 「獣人ってそうやって褒め合うの?(笑)」 「そうだよ!長くて素敵な毛並みですね〜とか、カールがすばらしいですね〜!とか(笑)」 「へえ(笑)」 「美容院でパーマもできるよ。くせっ毛気にしてる人は縮毛矯正したりするし」 「美容院で獣型になるの???」 「そう!」 「知らないことだらけだな…って、おい、こら、ッ…!」 人に頭を洗ってもらうのは、楽で、気持ちがいい。 穏やかに会話しながらシャンプーとリンスをしてもらい、シャワーできれいに流してもらっていると… ボディソープの泡を取ったユキに はだかの身体を洗われそうになり、息を飲んだ。 「ァ、さすがにからだは自分で洗うから…ッ」 「え〜〜〜(笑)」 「え〜じゃない、っ、!ねぇ…じぶんでやる…」 「俺がやってあげたいの」 「…っ!ン……!」

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