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38.余韻*

「はーっ♡はーっ♡はーっ…♡♡♡♡♡」 潮を吹きながらイッた余韻で、ぐったりと疲れたハル。 力の抜けた身体をユキに預けて、荒い呼吸を整えようとする。 「かわいいね…」 「ん………」 (めちゃくちゃきもちよかった…) (…あたまポヤポヤする……) 洗ったばかりでもう汗をかいてしまい、すっかり開発されてイきやすくなった自分を自嘲した。 「やば!夢中になってたらもうこんな時間じゃん!夕食に遅れちゃう!お風呂ザバッと入ってすぐ準備しよう」 「ん…」 ユキに抱きかかえられて、ふたりで広いバスタブに入る。 バックハグされるような形でユキの両膝の間にちょこんと入るハル。 ほどよく疲れて、戯れながらあたたかい湯に浸かっているととても良い気分だ。 「ハル、ハル〜」 「んん……」 「かわいい!ぽやぽやしてる!」 「んぅ……」 「まだエッチな顔してるね」 「…ぅ…」 「(笑)きもちよかった?」 「………」(こくり) 「よしよし(笑)」 「………」(ユキの肩に甘える) 「かわいい〜〜(笑)(笑)」 ユキの胸にもたれながら、ハルは自分の左手の薬指に嵌めたリングを眺める… 「ピアス貸して」 獣型になったときにも付けたままでいられるように、とピアスにして付けている指輪。 ユキの耳にひっかかっているそれを借り、自分のものも外し、手の中でふたつの輪っかを眺める。 内側に彫ってあるのはふたりのイニシャルと、ある模様だ。 『ここに模様が彫ってありますでしょう?』 『ふたつのリングを重ねると、ハートの形になるんです。可愛いでしょう』 カルディエ店員のセリフを思い出す。 そんなもの要らない、と気恥ずかしくて断りたかったが、やっぱり入れてもらってよかった…かもしれない。 湯の中で重なったふたつのリングとハート。 愛でるように、手の中でもてあそんだ。 (実感、かあ……) 「そうだ。ハルはおれのどこが気に入って結婚してくれたの?」 「………顔と地位と金」 「…あ〜なるほど…まあ重要だよね……」 「間に受けんなよ(笑)冗談だろ、そんな顔すんなよ(笑)」 「クゥ〜ン……」 「ごめんごめん(笑)よしよし(笑)」 「ワンッ♡」 「そういえばどうしてカーラー外してたの?」 「◯×▲☆◇□♡〜〜〜♡♡?!?!?」 かぷり、とうなじを甘噛みされてイッてしまったのはナイショだ。

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