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65.電話越し *
『…あーー…せっかく好きな子と電話してるのに、仕事の話ばっかり…』
「ああ…それは、俺も思ってたけど…」
『もうちょっと楽しい話したい』
昨晩の電話でも、
『昨晩はひとりでシた?』とか、
『だってハルはいま性開発中じゃん、だからちゃんと毎日……』とか、ユキは何かとそっち系の話題に持っていきたがっていた。
だから、この展開は…
(何となく察しはつくけど…)
『……分かるでしょ?』
「分からん」
『嘘だぁ。昨晩は「抱っこされて一緒に寝たい」って泣きながら言ってきたくせに」
「あ…あれは…!」
『寂しくて泣いちゃうハル、可愛いなーって思ったのに』
「………////」
『俺さ、ハルの泣き顔ってすごい好きなんだよね』
「……おい」
『もっと泣かせたくなっちゃう』
セクシーな低いトーンで言われて、ハルは下半身がずくんと重くなった。
「……卑猥なトーンで言うのやめろ」
『なんでだめなの?』
「…なんでって……」
ハルは電話しながら、目を彷徨わせる。
『ふたりでゆっくり話せる時間なんて、今しかないし』
「そうだけど…」
少しシモ方向に話題が変わってきているのにハルは気付いていた。勿論ハルだって健全な成人男子である。おととい、昨日と出していないせいで色々と溜まって来ているのは確かだが、電話越しに披露するのは気が引ける。
はっきり言って、電話を切った後で一人で抜こうかなと思っていたのだった。
『はぁ…ハルに触りたい…』
このままじゃテレフォン相互オナニー展開になり兼ねない。
けど…
(まあ、たまにはいいか)
見られるのは恥ずかしいが、電話越しに触るくらいなら簡単にできそうな気がした。
「お前も溜まってんの?」
『溜まるって、なにが?』
お誘いなんてできないので、単刀直入に申し入れてみたものの、箱入りおぼっちゃまはオトコノコの言う『溜まる』の意味が分からなかったらしい。
「せーよく」
『性欲?』
「え…えっちなことしたいのかって訊いてんだよ」
『え?したいよ』
「す、するか?えっちなこと」
『…どうやって?』
「どうやって、って…電話越しに、あーしろとか、こーしろとか指示出し合って…それぞれ気持ち良くなるっていう…アレだよ………」
『へえ、そういうのがあるんだ!』
言いながら、恥ずかしくなって行くハルであった。ユキの声は楽しそうに弾んでいる。
(おぼっちゃまに何てこと教えてんだ、おれは?)
『で?ハルは今それをやりたいってこと?』
「あ…う…」
『可愛いなあ。えっちなことに積極的なハル、愛しくて頭からバリバリ食べちゃいたい』
「あ、でもお前、禁欲中なんだっけ」
『…ちょっと触るくらいなら…』
「かたくなだなぁ…出してもいいのに」
『それはさ、来るべき日に、ハルの中に全部注ぎたいっていう俺の真心でしょ』
「ふーん。いいけど。暴発するなよ」
『がんばる!』
お互いの気持ちを確認し合ったところで…
『で、どうしたらいいの?』
「あ…ええと…とりあえず触って…」
『自分のを?』
「そう。自分のを触る…」
ハルは電話越しに指示を出しながら、電話を聞き手で無い方に持ち替え、ベッドの中でモゾモゾとして触りやすいように体制を動かす。
『触るって、ちんちんだよね?』
「そう」
『分かった』
電話の向こうで、ゴソゴソと音がする。ユキの方も体制を整えているのか、また、物音と少しの沈黙を待ちながら、ハルはズボン越しにペニスを揉んだ。
股間から軽く、じわりと気持ち良い波が上がってくる。
(しまった。おれの方が主導権握ってるじゃん)
『…ハルも、今触ってる?』
「…うん…」
ユキの声を聞きながら、目を瞑って、気持ち良い波に集中する。
(ひとりでするの、久しぶりだな…)
(いつもユキに触られてたから…)
ユキの大きな手でペニスを柔らかく扱かれる感覚を思い出すと、ぞくりと身体が震えた。
「っ…!」
(まずい…何日ぶりだから、感度高いかも…)
『ハルは気持ち良くなれる場所たくさんだから、手が足りないね〜』
「うん…」
ペニスを触ると尻穴が疼くし、乳首も触りたくなる。腹も愛撫して欲しいし、尻たぶも揉んで欲しい。本当に、手が足りないのだ。
『ゆっくりやろうね』
「ッ、うん…」
ハル本人以上に、ハルの身体のことを知っているような台詞に身体が疼き、尻の奥から愛液が溢れてくる感覚がした。
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