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67.教えて***

痛いほど勃起しているものを、布団の中でやわやわと扱く。柔らかなテノールの響きが、電話越しに耳を犯す。 (…はぁ…きもちいい…) 先走りが、こぷ、と溢れた。利き手の親指でそれを亀頭に塗り広げると、くちゅり、と卑猥な水音が鳴った。 (っやべ、聞かれた…!?) テレフォン相互オナニーなのだから聞かれてもいい筈なのに、何故か息を潜めてしまう。それに、布団の中で触っているのだから、こんな些細な水音が受話器に届くはずもないのに。 『…今、ちんちん触ってる?』 「う、うん…」 (よかった、聞こえなかったんだな…) (…よかったって、何がだ?) (こんな状況下だし、えっちな音は積極的に向こうに聞かせるべきだろ…) (わかってるけど…) 親指で亀頭をくるくる撫でるようにして、ヌルヌルの先走りを塗り広げる。 くちゅ、くちゅ、 (っ、あ、だめだ、きもちいい…!) 久々の快楽に、脳みそがトロトロと穏やかにとろけていく。 『どうやって触ってるの?』 「どうやって、って……っ!」 『だって、さっきハルが言ってたじゃん。電話越しに、あーしろとか、こーしろとか指示出し合うんでしょ?』 「あ…う…」 『だからさ、教えてよ。普段どうやって自分のやつ触ってるの?』 『………!』 『ハルのやり方で、俺も気持ち良くなりたい。真似っこするからさ、教えてよ』 「………」 (なんなんだ、この羞恥プレイは!?) 電話越しにしよう、と言い出したのは自分とは言え、まさか向こうが「真似するから教えろ」と来るとは思わなかった。 『ハ〜ル〜〜』 「……ち、ちんちんを触る……」 でも何故か、不思議と、電話越しだとするすると言葉が出てくる。 『硬い?柔らかい?』 ユキの穏やかなテノールの声は、ハルの心の柔らかい場所へ届く。ハルがいま寝そべっているベッドにはユキの匂いが色濃く染みついていて、まるでそこにいるかのような錯覚を覚える。 ハルは、ごくり、と生唾を飲んだ。勃起状況を訊かれて、確かめるように自身を握り込んだ。 きゅ、と根元を締め付けると、背筋がゾクゾクと震えた。 「硬くなってる……」 『オーケー。それで?』 「っ、先っちょから、ネバネバが出てて…」 『うん』 「それを、塗り広げて……」 『どこに?』 「ええと…亀頭……って言う、ン、っだよな?」 性的な言葉を口にする羞恥心で、頭が沸騰しそうに痛い。 しかし、ナニをしていようと「向こうには見えない」ことが、ハルの行動を大胆にしていた。 ユキに触り方を指示しながら、ペニスをやわやわと扱くと、こぷり、と再び先走りが溢れ… それを親指で、ヌリュン、と亀頭に塗り広げると、気持ち良くて腰が抜けそうになる。 「ッう、、!」 良すぎて、手が止められない。ヌメる親指を尿道口に滑らせると、クチュ、クチュ、といやらしい水音が鳴る。 音が鳴ると、恥ずかしい。 鳴らないように、密かに快楽を追い掛けるが… 『はぁ……』 ユキの昂った吐息が電話越しに聞こえてくる。 『聞こえる?』 「なに…?」 会話しながらも、ハルの濡れた股間からは、ぷちゅ……くちゅ……と密やかな水音が。 それに、後ろの穴が愛液でトロトロになっている。 (あたまおかしくなりそう……!!) ひとりでシていたら、もう後ろを触っている頃合いなのに、今は相手がいるからそうも行かない。ペニスを扱きながら後ろをグチュグチュにして、思い切り気持ち良くなりたいのに… 『えっちな音してるの、聞こえる?』 「…ん…お前が…?」 『すっごいヌルヌルになってる』 ユキが自分の大きな一物の先端にカウパーを塗り広げている姿を想像して、ハルはゾクゾクと震えた。 『ねっちょねちょ。糸引いてる……』 「…っっ、…!」 『はぁ…、キスしたい…』 (キス…したい…ぐちゃぐちゃにされたい……) ユキの大きな身体に覆い被さられ、深く舌を絡め合うシーンを想像し… 「ッッ……!」 『ハル、おっぱいは触らないの?』 「ァ……触る……っ、、!」 指摘されて、ハルはようやく思い出したかのように、胸に手を伸ばす。そこはもう刺激を待ち侘びて硬く尖っており、軽く指が触れるだけで、電流のような鋭い快楽に襲われた。 「ひゃぅ……っ!!」 『今、えっちな声出た?』 「あ……ごめ………ぅ、ぅ、……っ!!」 (だめ、我慢できない…!)

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