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第一章:やっぱり、刺さっています、桃味のハート型チョコレート
ー黄泉の國・荒野地帯
遡る事、一ヶ月前、男性は、ある光景が、異様に気になる。
それは、荒野地帯に、聳え立つというより、刺さっていると、表現した方が良いのか、ドでかいチョコレートを発見した。
これ、刺したの?
最早、阿鼻叫喚するぐらい、迫力あるチョコレートに、驚かされた。
「大丈夫なのかな?父様に…送ってみようかな」
あまりにも、衝撃的だった為、父親へ、写真を、送った。
黄泉の國へ…。
足を運ぶのは、年に何回かで、祖母に、近況を、報告する為だ。
普段は、ムーンキングダムに、訪れるか。
下界で…。
一人、本を読んでいるか。
「あ…。きた…」
『それ、イザナミノミコトが棲むとされている場所だ…。滔々、見たのか』
ー…見たというより。
目の前に、映っている。
「イザナミノミコトって、古事記に出てくる國作りの神だよね。確か…双子で、婚姻する時に、お互い、回り方が…」
彼は、記憶の中を探る。
少年期の頃に、徹底的に、十五龍神の一人である蛟龍こと『蛟帝 迥(みずちてい はる)』に、叩き込まれた。
本来、ムーンキングダムに居る者に習わなければ、いけないのだが。
父親の一存により、家庭教師として、教えてくれていた。
『もう!本当は、黄泉の國を、担当にしている銀龍の役目なんだよ!』
『…』
『あ、銀龍って、逢った事無かった?この、無愛想ぽっいのが“銀龍帝 夢麗(ぎんりゅうてい むらい)と、言うんだけど、彼が、黄泉の國の担当』
見せられた写真に、男性は『噂の銀龍帝の総帥』と、呆気に、取られた。
何せ、十五龍神に、属している割りには、滅多に、姿を現せないという人物。
母親も、指折る数しか、姿を見た事が無いと言っていたのを思い出した。
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