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【漆津夜side】
下界で、過ごす事の多い、僕が、何故、黄泉の國へ居るかと言うと。
一ヶ月に一回、近況報告を兼ねているからである。これは、母様が与えてくれた仕事。
流石の僕も…。
ー…十六歳になる。
仕事は愚か、執務にも積極的に参加しないと、いけない年齢。
神として…。
ニートは嫌だと、思ったから母様に、相談したら。
丁度、良い仕事があった。
それが、今に至る訳で。
『祖母様に、ムーンキングダムでの出来事を近況報告とかどう?ほら、漆津夜の、元気な顔も見られるし、一石二鳥だと、思うんだよね』
笑顔で、言うもんだから…。
承諾したんだけど。
給料が父様からなんだよね…。
ポケットマネーだったら、どうしようと、一瞬、思ったけど。
どうやら『仕事』という枠になっていると、経理の人が教えてくれた。
それなら、働かなければ損だと、僕は考えた訳。下界でも、お金って、必要だし。
趣味ともなれば、出ていくお金が、大きい。
「主な理由がBLとなれば…」
母様が…。
ー…泡を吹く。
下界で、見付けてしまったのは仕方ない。
最早、運命を感じるくらい、僕はBLに、嵌まっている。
これでも、自重はしているし、趣味だから他の神々に文句を言わせないのが主義。叔父の、面白い本に感謝したいくらいだ。
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