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[璃羅side] もう、漆津夜が来ても良い時間なのに、今日は、何故か、遅い。 折角…。 都葉輝の子を脅して、教えてもらったのに。 下界の食べ物は、我だって、口にした事があるから、美味しいのは解る。 けど…。 “光皇帝”御用達の、お菓子は、下界の、食べ物に、劣らない筈。 しかしながら、予想外の事が…。 発生した。 我が息子ながら、自分の夫の行き先に、疑問を抱いたらしい。 この、黄泉の國は楠野帝の所有地。一部を抜かせばの話だが。 あくまで、統一しているのは、艸波様だ。 誰に…。 ー…似たのか。 洞察力だけは、長けている。 「そこに、我の可愛い娘の名前を出す?」 「一応、僕も兄様も子供です。ま、その辺は、心配していないので、安心して下さい。それより…よく、兄様が漆津夜の好む、お菓子を教えてくれましたね」 「…」 「てっきり、教えないのかと、思っていました。漆津夜…ああ、見えて、漆夜様譲りの所がありますし」 それ、言わないでくれると、有り難い。 大人になるにつれて、容姿は『神楽帝』だなと、解るんだけど。性格が、漆夜様みたいな感じだなと、最近になって、思った。 あれで、十六歳なのだから…。 夜叉帝の血筋、恐るべしと、素直に思う。 「それに比べ…神波は、母上譲りの部分は、髪色だけであって。後は…父上譲りですもんね…。妹ながら、どうやったら、遺伝が、あんな風に、変革するんですか?」 ー…知らない。 何処で、遺伝、間違えたかな。

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