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『見たい』と、言っても、既に隠居なさっているから、無理に近い。 だけど…。 魔界で、やりそうな予感がするのは、私の気のせいだろうか。お嬢様の事だから、無理強いはしないだろうけど。 現代に伴って、甥っ子で試しそうな感じがしますわ。 『その瞬間を見たら、気持ち的には、どんな感じになるんですか?』 「そうね。きっと、美しい光景だと思うの…」 脳裏に、光景が浮かんできそうだけど、巡り逢いの方を行った者からしたら、生きた心地がしないのは、何故だろう。 『当の二人は、もう、隠居していますし。現代でやるとしても、相手が居ないと、無理じゃないですか』 「そう。現代なら…現代の神に、お願いしています。そこで、貴方なら、どうします?」 『僕ですか?』 「えぇっ…」 無理難題を投げ掛けて、どうするんです。 漆津夜が、驚いた表情をしているじゃないですか。 『そいゆう、質問された事が無いから、初めてです』 「お嬢様の質問に、漆津夜が、答えられる訳がありません。此処は、諦めて…。他の事に、目を向けるべきです」 「あら、貴重な意見を聞けるかも知れないわよ。何も、難しく、考える必要は、ありません…」 否、答えが出るかも解らない質問に、甥っ子が必死に悩む姿が痛々しい。 私だって、答えられる自信が無いですわ。 何たって…。 お嬢様の難しいですから。 解くのに、千年、費やしそうな感覚。 ま、彼女の兄が…。 そうでした。 『天才と馬鹿は、紙一重』と、本人は例えていました。 簡単な問題だと…。 解けないんだとか。 難しくすればする程、解ける超人。 あの、璃羅の叔父を嫁として娶った、冥界政府官吏長。 漆夜叔父様と、同期というのだから…。 驚きですわ。 漆津夜も、彼方の御子と、同年代だけど。 並べてみると、女顔が二つ。

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