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34.なんか変
アデルバード様に1ヶ月は勉強をお休みするように言われて、僕はその期間何をするか頭を悩ませていた。
「考え事かい?」
「あ…その…」
今はアデルバード様が使っている部屋に連れてこられていて、ベッドに腰掛けて彼の膝の上で抱きしめられている状態だ。
助けて貰った日からアデルバード様は度々この部屋に僕を連れてきては一緒に眠って朝を迎えるということを繰り返している。
自分の気持ちの名前が愛だと知った時から、何故だが僕は彼といるとむず痒いような、恥ずかしいような気持ちにさせられて緊張してしまうようになった。顔もすぐに赤くなるし、何故だか泣きたい気持ちにもなる。
抱きしめられている部分から熱を感じると、その部分が酷く熱くなって、何かが僕の中で頭を擡げるんだ。
それがなんだか怖くて、彼から逃げようと腰を浮かした。
「こら、また逃げようとして。悪い子だね」
「…っ、だって…」
「んー?」
喉仏にキスをされて、そのくすぐったさに更に全身に熱を持った気がして、何かが溢れてくるような、それでいてアデルバード様を酷く求めるような飢餓感に自分が自分ではないような気にさせられる。
「…アデルバード様に触れてると…っ…なんだか変なんです」
「何が変?」
「…身体の奥が…熱い、ん…っ」
話している途中でキスをされて、舌を絡められると考えていたことも何もかも白インクを撒き散らしたみたいに白に染って吹き飛んでしまう。
「舌を出してご覧」
「…っ…ぁ…」
言われた通り恥ずかしさを押し殺しながら微かに舌を前に突き出すと、アデルバード様が長い指で僕の舌を掴んで弄び始めた。
なんとも言えない変な心地に眉を寄せると、彼の指が上顎を撫でてきて身体が跳ねる。彼とのキスでそこが僕の弱い所だと教え込まされたせいなのか過剰に反応してしまうことに羞恥心が更に増した。
指を引き抜いた彼はもう一度唇を重ねると、舌同士を絡ませて息を奪い合うような荒々しい口付けをしてくる。鳴り響く水音とかすかに漏れてしまう声を耳に入れながらひたすら必死に舌を絡める。
そろりと目を開けると、アデルバード様が楽しそうに目を細めながら琥珀色の瞳で僕のことを見ているのに気がついて、思わずぎゅっと目を閉じた。
視線を交じ合わせたことで、彼から与えられる感覚がますますリアルに感じられて感度が増す。
アデルバード様はくちびるを合わせながら、僕の着ているシャツの中に手を滑り込ませると、腰や脇腹を撫でるように僕と同じように熱を持った手で触れてきた。
「…アデルバード様っ?」
なんだか未知の領域に足を踏み入れていくような感じがする。
彼の獰猛さの垣間見える瞳から逃げるようにもう一度身体を後ろに引くと、アデルバード様はそれを利用してそのまま僕をベッドへと押し倒した。
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