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第2話

―in my house 「ただいまー」 しーん 「遥~?いないのか?」 結構大きめな声で言ったけど反応どころか物音ひとつないんだけど。なんで?寝てんの? 「遥~?」 遥の寝室にも行ってみたがいない。マジでどこ行ったの。 「遥?」 しーん 「いないね。だーれも。取り敢えず荷物置こう。」 さっき詩からもらったレープクーヘンの缶をテーブルに置き、スマホで遥の連絡先を検索する。 prrr……prrr…… 「出ねぇじゃん」 いつもは折り返しとかすぐしてくれるのに。まぁいいか。きっと気づいてないだけ。 「あ、久しぶりに料理でもするか。」 せっかく一人なんだ。ならばこの時間を自由に使っても文句は言われないはず。そして遥に禁じられていた料理をするのは今、この瞬間しかない!! 「というわけで料理でもしますかね」 誰もいない中しゃべっても返事なんて帰ってくるわけなくて。もちろん帰ってきたらそれはそれで問題しかないけど。 「そういえばこの前大量にホットケーキミックスもらったんだっけ?」 たしかこの棚の引き出しの二番目にあるんだったなとか思いながら棚の扉を開ける。案の定、あった。 「よし。三か月ぶりの柚葵クッキングだ!」 とかなんとか言いながらホットケーキの材料を冷蔵庫の中から取り出す。丁度卵が使いきれそうだから使おう。牛乳は……あった。奥の方に眠ってたけど。 ―1時間後 「できた!」 久しぶりだからちょっとだけ手間どったのもの、ホットケーキ事態は問題なくできた。(洗い物は後にまとめてする主義) 「でも、一人で食うのもつまんねぇな」 いつもなら近くに遥がいる。けど今日は姿も連絡もない。本当にどうしたんだろう……なんか変なことに巻き込まれてないといいけど。巻き込まれてたらと思うと背後がぞっとする。なんか、気味が悪いというか。なんというか。 ぴんぽーん 「宅配便でーす」 「あ、はーい」 インターホンが鳴って遥かと期待すれば期待ははずれ、少しだけ虚しさがやってきた。配達員に罪はないのに。 「印鑑かサインをお願いします」 「はーい」 印鑑はもってきていないのでサインをする。書き心地が悪いのが少し気になった。←ボールペンコレクター 「ありがとうございましたー」 ぺこり あら、きれいな一礼ですこと。感心するぐらいきれいな一礼をして去っていった配達員を見送ってドアにカギをかける。遥が合い鍵を持って出ていることを信じよう。 「俺ってばなんかたのんだっけ?」 俺は頼んだ覚えがないからきっと遥の荷物だろう。何を頼んだのか正直気になりすぎるがあけないで遥の部屋に置いておく。(酔ったときに勝手に開けたら遥にすごい怒られたから開けないでいる)

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