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第5話
―同時刻:遥side
「はぁ~久しぶりの横浜楽しかった~!今度柚葵も連れてきたいわぁ」
あ、そろそろ帰らへんといけんなぁ。あ、柚葵はもう飯は食ったんかな?
「あ、あの!」
「ん?」
「あの、いつもyouyubeでライブ配信してるときにユズさんと一緒に出ているハルさんですよね!?」
なんやこの子。見た感じ柚葵のファンっぽいんやけどなんで俺に声かけたん?もしかして柚葵に近づきたいんかな?
「あ、はい。あのチャンネルに強制的に出されているハル……ですけど。」
「いつも見ています!これからも頑張ってください!応援しています!」
「ああ、おおきに。いつも見てくれてるん?うれしいわぁ。ありがとうな」
「いえいえ。私はあくまでも個人的なファンでしかないんですけどね。お、お時間をとらせてしまいすいません。」
「ええよ。これから電車で東京に帰るだけやし。」
確かに今日は柚葵に何も言わずに東京から横浜に一人で旅行にきた。すぐに帰ると思ってたけど案外長く居ったんやなぁ。ゆうてあとちょっとしか横浜におれんけど。
「何分の奴ですか?」
「ああ、あと30分後のやね。その間にお話しでもする?」
「いいんですか?!でも、お金ない……」
「ええよ。俺が出す。」
今日会ったばかりで名前も知らない子に金を出すのは正直気が引けるけどしゃあない。これも何かの縁や。最後の最後で楽しませてもらいますわ。
「あの、それはさすがにもうしわけないので……第一、ファンと配信者では垣根もありますし……」
「気にせんでもええのに。」
「えっ」
つい口に出してもうた。やばい、相手さんはちゃんと俺の立場とか気にしてるのになんで俺はこんな無神経な事しか言えへんのや!!俺のあほ~!
「じゃ、じゃあ、少しだけ……ご一緒させていただきます。」
「付き合ってくれてありがとうな。じゃあ、そこの喫茶店でええか?」
「はい」
あ、そういえばこの前柚葵に散々文句?言ったばっかやった……。このこと知ったら柚葵、怒るかなぁ。怒りそうやな。やめときたいけどこの子はファンの子やし……ああもう!どうしたらええんや俺は!
「ハルさん?」
「ああ、ごめんな。最近ボーっとすることが多くて。」
「そうなんですか?じゃあ、手短に終わらせますね。電車の時間もありますし。」
「ごめんなぁ。」
やっぱり柚葵に連絡してからの方が良かったなぁ。今頃になって後悔したわ。全くなんでこうも昔の自分を責めてまうんやろ。俺の悪い癖やわぁ
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