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第7話

―風呂上がり 「あ、柚葵もう上がったん?」 「遥?どこにいたんだよ!?」 風呂に上がった後に遥が帰ってきてました。はい。なんで?この子って風呂入ったら湧いて出てくるの?誰か教えて? 「横浜にいっとった」 「は?」 「せやさかい、横浜に行っとったんやって。何ぞいちゃもんある?」 マジで言ってんのか?なんか、表紙抜けしたんだけど。そしてなんで何も言わないのさ。この前言ったよね?(online demeritの事後の事) 「柚葵?」 「なんで」 「ん?」 「なんで俺に何にも言わないんだよ」 「うーんなんでやろなぁ。自分でもわからんわあ。」 呆けてる所申し訳ないけど柚葵君はかなり怒ってます。なんでかというと遥が俺に何も言わずにどっか遊び惚けてる事です。 「あの、柚葵……葉宮君?」 「葉宮って呼ばないで。」 何も言わなくなった俺に違和感をやっと感じたのか遥が口を開く。でも、なんでかわかんないけど遥が帰ってきたのに素直に喜べない。文章に書いてないけど俺がどれだけ心配したと思ってんだ。 「柚葵、ごめん。」 「何が?」 やばい。早く怒りを鎮めないといけないのに全く鎮まる気配がない。むしろイライラは増してくるばかりだ。みんな、どうしたらこの感情を抑えられると思う? 「その、何にも連絡よこさずに、出かけたこと。すまん」 「遥は……なんで連絡よこさなかったの?」 「え?怒れへんの?」 「それは今どうでもいい。早く答えて?なんで連絡してくれなかったのか」 少しおどけた表情の遥を置いて買ってに話を進めていく自分に「おいおい」と思いながら遥の返答をまつ。 「なんか、今日一日だけ……配信者でも、何でもないただの『川崎遥』に戻りたかったんや」 「ただの遥?」 「うん。だって、いっつも柚葵に強制的に配信に出されて知らん間に有名になって。ほなら、本当の俺はどこに行ったんやろって思って。」 「ここにいるじゃん」 「え?」 俺の言った言葉の意味が分からなかったのか遥が呆けたような顔をする。確かに俺たちはこの家から出たら自分で言うのもあれだけどちょっと有名な大学生配信者だ。でも、家にいる間は視聴者さんと一緒の人間だ。別にきれいなお小言を垂れる気はないけれどそれだけはわかってほしかった。 「だから、遥は配信者をなんだと思ってるの?大まかなくくりで見ると俺もお前も視聴者さんと一緒の人間だって気づかないの?」 「そう……やったな。」 遥が納得したように俯いた表情から本当に少しだけ、明るい表情になった。なんだろう、最近遥が薄暗い表情を浮かべることが多い気がする。気のせいで会ってほしいけど。

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