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秘密③

 その言葉に、橘の目が驚きで見開かれた。 「……ッ」  橘がごく、と喉を鳴らす。その視線は雪哉の下半身に向けられていて、急に恥ずかしくなり雪哉は慌ててハーフパンツの前を押さえた。 「お前、今……すげー殺し文句言ったのわかってるか?」  橘の声が熱で掠れている。その視線に、ぞわりと肌が粟立った。 「う、え? わっ」  再び腕を引っ張られ、勢いよく床に押し倒された。 「――っ」  押し倒された拍子にロッカーの角で頭をぶつけて一瞬息が止まる。橘は覆いかぶさるように雪哉の上に乗っかって来て、熱い舌が顎、首筋、鎖骨へと滑っていく。 「ん、ふ……ぁっ」  ちゅぅっと音を立てて胸の突起を吸われ、ピクンと腰が浮いた。そのまま軽く噛まれ、くりくりと捏ねるように弄られるとジンと痺れるような快感が走り、口から甘ったるい声が漏れそうになり慌てて手で口元を覆った。 「はぁ……ん、あっ、ふ、ん……」  指とは違った生温かい感覚にビクビクと体を震わせていると、もう片方の乳首を指先で摘ままれた。親指と人差し指で擦り合わせるようにされて、時折引っ掻くようにされると堪らない気持ちになる。  両方の胸を刺激され、ビクンと身体が仰け反った。すると、橘は更に強く吸い上げて、ぢゅっと音を立てた。  そのまま舌を這わせつつ下腹部へと移動すると臍に軽く歯を立てられ思わず腰が揺れる。  じくじくと身体の奥が疼き、既に下着の中は触られてもいないのに大変な事になっている。  それに気付いている筈なのに、橘は執拗に雪哉の身体を愛撫する。脇腹を撫でながら唇を離すと、橘は雪哉の脚の間に割り込んで膝を立てる。 そのまま股間にぐっと体重をかけられて、雪哉は小さく悲鳴を上げた。 「ひゃっ」 「……」  無言のまま橘は雪哉のハーフパンツに手をかけ、ゆっくりと下ろしていく。その僅かな動きだけで、布地が性器に引っかかる感覚にビクリと体が震える。  橘の手が内腿を滑り、鼠蹊部をなぞりながら中心へと向かう。 「……勃ってんな。つか、ガチガチじゃねぇか」 「い、言わないでくださいっ」  橘はニヤリと口角を上げると、ボクサータイプの下着に指をかけた。 「あ……っ」  橘の指先がゴム部分に掛かり、一気に脱がされる。  外気に晒されたそこは、僅かに震えていた。 「ふ……ん、んっ」  橘は躊躇する事なくそれを口に含むと、じゅっと吸い上げた。根元を手で支えながら口全体で包み込み、強く吸い上げながら舌を動かす。  裏筋や先端を強く擦られ、その度に背筋が戦慄く。 「あ、だめ、そんな……ん、く……っ」  熱い口腔内で敏感な部分を擦られて、直ぐにでも達してしまいそうになる。 「だ、め……出ちゃ……ぅっ」  橘の髪を握り締めると、くしゃりと指先に髪が絡まる。しかし、橘は行為を緩めるどころか更に激しく責め立てる。 「いいぜ、イけよ」 「ん……っふ、ぁあっ!」  その言葉に促されるように、鈴口に歯を立てられ、雪哉は堪らず橘の口腔内に白濁を放った。 「はぁ……はぁ……」 「ははっ、すげー出たな」 「……ほっといてくださいっ」  口に放ったものを手の平に吐き出しながら言う橘に、羞恥で顔が赤くなる。  何処のAV女優だよ……。自分のモノを舐められるのがこんなに恥ずかしいなんて知らなかった。 雪哉が顔を逸らすと、橘はその耳元に唇を寄せた。 「まさか、これで終わりとか思ってねぇよな?」  言うが早いか腰を高く持ち上げられ獣のような体勢を取らされた。尻を上に突き出した格好が恥ずかしくて思わず抵抗しようとしたが、腰をがっしりと掴まれて動けなくなる。 「ちょっ、なにす……っ」  抗議の声を上げようとした時、橘の吐息が耳にかかってぞくりとした。 「こっちも解してやるよ」 「――っ」  橘は徐に自分のポケットからさっき拾った一澄の乳液を手に取ると、雪哉の放った精液と共に後孔に塗り付けた。 「っ……」  初めての時は最初の挿入の時に時間がかかったが、乳液のお陰なのか、身体が慣れたのかわからないが最初の時ほどの痛みは感じなかった。  それどころか、直ぐに順応してあっという間に二本の指を飲み込んだ。 「は……ん、ぁ……っ」  雪哉の呼吸に合わせて、橘の指が抜き差しを繰り返す。何度も繰り返されるうちに、その圧迫感にも少しずつ快楽を感じるようになってきた。 「ん……んぅ……っ」 「ははっ、もうグズグズになってんじゃねーか」 「んっ、そ、なこと……っ」  三本目の指が入ってくると、バラバラに動かされて、その度に内壁がヒクつくのが自分でもよくわかった。 「あ、ん……っ」  前立腺に触れられた瞬間、ビリっとした電流のようなものが全身を駆け抜け て、思わず甲高い声が上がる。 「ここか……」  橘は確かめるようにそこばかりを狙ってくる。その度に強烈な快感に襲われ、そのたびにびくんと体が跳ねる。 「やっ、そこばっか……っ」 「はっ、その割には良さそうだけど?」 「んっ、ふ……ぁっ」  雪哉の反応を楽しむように、橘は執拗にその場所を刺激してくる。そのたびに目の前がチカチカとして、頭の中が真っ白になった。 「も、無理……です……っあっ、ふ……ッ、先輩、も……いいから……っ早く、先輩の……欲し……っ」  我慢できなくて腰を無意識のうちに揺らしながら強請るように言えば、橘はチッと舌打ちをして、指を引き抜いた。そして雪哉の腰を掴むと、ぐっと引き寄せた。 「煽るんじゃねぇよ……優しくしてぇのに……ッ」  橘が苦々しく呟いて、熱い塊が後孔に触れた。 「あ……――ッ!」  腰を掴んでずぶ、と質量のあるそれが押し入ってくる。 「ぁ……っ」  指とは比べものにならない程の圧迫感に息が詰まり、苦しさに思わずぎゅっと目を瞑る。

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