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もう恋なんてしない ※雪哉SIDE 4

初めて橘と身体を重ねた時に、相性がいいと感じた。そして思いが通いあってする初めてのセックスは最初の時以上に心が満ち足りていた。 同じ口付け、同じ触れ合いなのに快感の度合いが全然違う。 ヘッドレストを背凭れ代わりにして座っている橘の上に跨り、向き合うような形で二人は今、繋がっている。 「あ……っ、んん、んっ」 橘が好きなように動いてみろと言うので、自分が感じる場所を探して腰を揺すった。 頭を抱くようにして縋りつきながら喘いでいると、胸にチクリと痛みを感じた。ちょうど胸が橘の顔の近くにあって、すっかり敏感になった胸元を舐めたり甘噛みしたりして刺激してくる。 「や、……ん、ぁあっ」 「すげぇな、締め付けてくる。俺が卒業してからココ使った事は?」 「あ、あるわけ、んっ、ないですって……ぁあっ、先輩以外なんて、ぅ考えられ……ないっ」 「そっか」 橘は満足そうに笑うと、腰を掴んで激しく下から突き上げてきた。弾みでベッドがギシギシと軋んだ音を立てる。 「あっ! や、っそれ……やばっ」 「イってもいいんだぞ?」 耳たぶを食まれゾクゾクっと甘い痺れが全身を駆ける。気持ち良すぎておかしくなってしまいそうだ。視線が絡むと、愛しそうに汗で張り付いた髪を指で掬い頬に触れてくる。 「ん……んんっ、あっ、あっ! も、無理……っ、せんぱ……キス、キスして……っ」 切羽詰まった声を上げながらキスを強請る。けれども橘から仕掛けてくる気配は無く、こちらからのキスを待っているから、堪らず自分から深く唇を重ねた。 「ん、ふ……んっ! は、ぁあ!」 その拍子に自分の体の重みで深く突き刺さり、一番感じる部分を橘の雄が掠った。 「あっ! ぁあ――っ」 それを合図に橘の指がほったらかしになっていた雪哉の自身に触れ、軽く扱かれて堪らず高い声を上げて手の内に白濁を噴出した。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ」 肩で荒い息をしながらぐったりと凭れていると、橘が腰を抱いたまま体勢を入れ替えベッドに雪哉の身体を沈める。 「ぅわっ、ちょっ先輩!?」 そのまま肩に足を掛けて、身体をグッと折り曲げ激しく腰を打ち付けてくる。 「あっ、ああん、も……や、だめっ」 「駄目じゃないだろ? ……雪哉」 真剣な眼差しで見つめながら甘い声で名を呼ばれ胸が甘く疼いた。ドキドキして息が止まりそうな程だ。 ついさっき放ったばかりだと言うのに、ジワリと身体の奥から熱くなる。スプリングの軋む音に混じってぬちゃぬちゃと卑猥な音が響き渡り、それがさらに興奮を煽った。 「あっ、ぅん……ぁっ、あっ! や……っこんなの、気持ち良すぎて、変になる……っ」 知らなかった。名前を呼ばれただけでこんなにゾクゾクするなんて。 「変になればいいじゃないか……俺が全部受け止めてやるよ」 噛みつくようなキスをしながら、膝を折り曲げていっそう深く激しくなる行為に強烈な快感を覚え堪らず橘の背にしがみ付いた。 「ああっ、駄目っ! そんなにしたらまた、イクっ、イっちゃ、ぁあっ!!」 「――っ」 身体をのけ反らせて精を放つ瞬間、一際深く突き上げて橘が息を呑むのがわかった。身体の深い部分でドクドクと脈打っている感覚があり雪哉は深く息を吐いた。 長い息を吐き上に覆いかぶさって来た橘の体重を全身で受け止めながら、気だるい腕を彼の背に回す。 汗で張り付いた前髪を優しく梳いてくれる手が嬉しくて自然と口元に笑みが浮かんだ。 「やっぱお前は笑ってる方がいい。つか、ずっと笑ってろよ」 「ずっと、って……無茶振りすぎですよ、それ」 苦笑しながら視線が絡む。優しい眼差しに見つめられて、初めて恋をした時のように胸がきゅんとした。

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