3 / 10

1-3

 僕はただ、かつての人々のように平和に生きていきたい。友達という存在と、くだらない話をして楽しい時間を過ごしてみたい。そんなことを望みながら僕は戦いの日々を過ごしていた。  今日も同じことを考えている自由時間。僕だけしかいない部屋で椅子に座っていた。そろそろシャワーを浴びたいと思っていたとき、部屋がノックされた。 「アルロベド・マリスはいるか?」 「はい、俺はここにいます」  ロベドをまとめる総長の声がした。ロベドは人前では自分を呼ぶときは俺でなければならない。いつでも誇り高き存在であるため、と言っていた気がするが、正直僕には違和感しかない。  僕は入り口のドアへと駆け寄り、ドアを開ける。敬礼をして総長を見ると、後ろに誰か立っているのが見える。正装を纏い、黒髪で僕より少し背が高い気がする。  今日の報告のときに新人が入ることを聞いていた気がするが、まさか僕の部屋になるとは。 「今日から同室になるクノスだ。前衛としては新人なので、世話を頼む」 「はっ、分かりました」  説明があったせいか短い言葉とクノスを残し、総長は去っていった。

ともだちにシェアしよう!