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「それとも、こんなんじゃ足りませんでしたか?」 「何を……離せ……」  何を考えているのか全く分からない。僕をどうしたいという。早く離してくれ。  僕の力では抵抗も虚しく終わり、何の意味も成さない。  痛みに耐えきれず右手の力を緩めると、クノスは左手を離す。その手はまっすぐに僕のズボンへと向かう。 「はっ、離せ!!」  僕の意思はクノスを拒んでいるはずなのに、身体が全く動かない。されるがままにズボンの中に手を入れられ、下着の上からやんわりと触れてくる。  自分以外触れることのないその場所を、他人、それに加えて初対面の人間に触れられるとは。だが、不快感はなく、普段より鋭い感覚が訪れてくる。

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