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第16話 身代わり
「ふぁっ…ん"ん"」
薄暗い教室に2人
荒い息づかいと、薄い喉から出るくぐもった喘ぎ声
そしてグチュグチュと粘つく卑猥な音が充満していた
美風は乱雑に集められた机の上に横たわり、足を悠雅に持たれ宙に浮いていた
美風の蕾には、悠雅の雄雄しい肉棒がしっかりとハマっており、それを動かすたびに美風の薄い喉から小さな喘ぎ声が漏れる
「んあっ…あぅ」
「…きっつ」
何度も何度も奥に打ち付けては締まる美風の中は、悠雅にとって初めての感覚と快感が感じられた
まだまだ大人には程遠い未熟な体では動きはぎこちないが、それでも2人は互いに熱を交えている
美風の熱ごしに見る悠雅の顔は快楽に酷く歪んで、とてもエロく見えた
手を伸ばして悠雅の顔を撫でる
2人の目が合えば、美風はにっこりと微笑んだ
その瞬間、美風の中で暴れていたそれが突然奥で大きく膨れて、果てた
「は、あっあっ」
「はあっはあっ」
突然のことに美風も驚き、中に出された衝撃で美風も同時に果ててしまった
互いの息づかいだけが聞こえる空間では、美風にとって、ここは学校で使い古した教室だという事もどうでもよかった
ただただ、気持ちよい
「あっ、まだ、抜かな…いでっ」
「わかったからっ…っ少し緩めろ」
「ふぅっ…んん」
美風の快感はなかなか抜けず、外気に触れられていた美風のそれも、ぴくぴくと反応し、治るまで時間がかかった
「…イけたか?」
「うんっ、うん、ゆっくり抜いて、ゆっくりね」
美風に言われた通り悠雅は実にゆっくりと自身を抜いていく
その間も美風の喉からは喘ぎが漏れる
やっとの思いで抜けきった悠雅は、美風の蕾からどろりと流れ出てくる自分のものから目を逸らした
ぼーっと放心する美風を連れて、悠雅が前を歩く
手を繋いで歩いてるせいで、美風は悠雅のペースに合わせなければならないのが辛かった
「ちょっと、歩くの早いよ。僕まだ腰痛いんだから」
「うるせぇっ、黙って歩け」
「もしかして、照れてるの?」
そう言いながらも悠雅はペースを落とし、美風に合わせてくれた
後ろから悠雅の顔は見えなかったが、なんだか美風には、悠雅が照れてるようにしか見えなかった
「あのね、僕さ、これが初めてじゃないんだ」
「小学校の帰りに知らないおじさんにさ、ハメられて」
「痛いし、苦しかった」
2人で歩く道は夕陽でオレンジ色に染まっていた
そういうムードがあったせいか、美風は今まで誰にも言わずにいた事を話してしまった
減滅されるか、あるいは気持ち悪がられるか、悠雅の反応を待っていたが、黙々と前を歩き続ける悠雅は聞いているのかもわからなかった
それが悲しいのか、嬉しいのか、じんわりと涙が滲んだが必死に耐えていた
「でも、よかった」
美風の家までたどり着いき、家に入る前に振り向いて悠雅に言った
「今度は、気持ちよかった…」
バタンっとしめたドアの先には兄がその様子を見ていた
途端に美風が悠雅に向けていた笑顔はスッと消える
「美風、どうして…」
酷く失望したかのような顔の兄を見る
しまった
そこにいるとは知らなくてとんだ失態を犯してしまった
さっきの言葉は聞こえていただろうか
「た、ただいま、兄さん」
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