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第18話

コンコン 「恭冴ちゃーん?大きい音がしたけど大丈夫?」 「ああ、大丈夫だよ母さん。美風が具合悪いらしいからこっちで寝かせとくね」 「あらあんなグズ、ほっといても大丈夫なのに…」 ノックが聞こえたあと、ドア越しに母の声がした なんでもないように兄は母と会話をすると、母はすぐに部屋の前からいなくなった 今叫べば助けてもらえたはずなのに、美風は声を出さなかった いや、出せないと言った方が適切だろう あろうことか美風は兄に組み敷かれ、その蕾にはしっかりと兄の肉棒がハマっていた 喘ぎ声を抑えるのに必死なのに、助けを呼ぶなど、今の美風には到底無理な話だ 「…いい子だね。美風」 「ふっ、ふあっ…うぅ」 喘ぎ声が聞こえないように自分で口を押さえていたが、兄が無理やり押さえていた手を引き剥がし、美風の口に指を突っ込んだ そのせいで口を閉じることもできず、涎と声が垂れ流れて、美風は羞恥心でいっぱいだった 「ぅあ、んっんう!」 「可愛い声。女の子みたい」 「まっへ…まっ、んあ"」 「…もうイったの?そんなんで最後までもつのかなぁ」 容赦なく美風の中を動くそれは、美風が絶頂している間も止まることはない むしろ勢いを増しながら、快楽と苦痛で美風を追い詰めていった 痛いし、苦しい 先程悠雅と経験した[気持ちいい]ほど、生優しいものではない 何度も何度も奥を突かれ、その度に脳に電流が流れたように痺れて止まない ガクガクと体が震えるが無意識のうちにシーツを這って、快楽から逃れようと争うが、兄に引きずり戻されてはまた絶頂を繰り返す 狂ったようなその行為は夜中まで続いた その間美風はどうすることもできずに、ただ口から卑猥な音を出すしか出来なかった どれくらいの時間だったのだろうか やっと美風から肉棒を引き抜いた兄は美風の隣に倒れ込むようにねっ転がる 「はぁ…美風。本当に可愛いね」 恭冴は汗だくの美風を包み込むように抱きしめてそう言った 美風は何も答えなかった ただ、抵抗する事なく恭冴の胸に抱かれては小さくため息をついた 「おやすみ美風。愛してるよ」 2人はしばらくベッドの上で動かないままだったが、そのうち1人の少年がむくりと起き上がるとベッドを降りた もう1人は疲れ切って眠っているのか、腕の中からその子がいなくなっても気がつかなかった じっとその様子を見ていたが、その内起き上がった少年はゆっくりと立ち上がってボソリと呟いた 「僕も愛してるよ…にいさん」 そう言うとよろよろと真っ暗な部屋から出ていった 電気もついてない廊下を歩いて、やっとの思いで持ってきた服を纏い、玄関へと向かう 重たい扉を音を出さないようにそっと開けて外に出た どこに行くでもなくふらふら歩き回っては少年は振り返ることもなく歩き続ける きっと帰る気などないのだろう 道がわからなくなろうと止まることはなかった 何時間も歩こうと少年は足軽に進んで行く まるで何かから解放されたような そんな表情をしていた

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