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第23話

僕はいつまでこうしてればいいのか… 結局あれからもう2時間半も経ったというのに、悠雅は飽きもせずに喋り続けている 口から出てくるのはどうでもいい昔話や世間話ばかり。 流石に美風は飽き飽きしてきたところだ 今まで兄さんばかり想いを寄せていたせいで、女の子との関わりがなかったせいか、知らぬ間に悠雅はとんでもなく空気が読めなくなってしまったようだ 仕方ない。 ここは一つ、僕がムード作りの手本を見せてやろう 「ねぇ、悠雅…」 「ん?どうした?」 「僕、お酒あんま強くなくて…」 そう言って悠雅の逞しい肩に頭をこつんと乗せ、上目遣いで 「身体、熱くなっちゃった♡」 「え、急にどうした…」 「………あれ、この前見たドラマと反応が違うなぁ〜」 「いやいやまずお酒飲んでないし、コーヒーしか出してないじゃん」 「うるっさいなあ!慣れてないんだよこういうの!もともと僕は受け身だし…だいたい悠雅君が長々とぺっちゃくちゃ喋ってるのが悪いんだよ」 「あ…ごめん。久しぶりに会えてつい…」 「何ウブみたいなこと言ってんの!さっさと脱げ〜」 「うわっ美風!ちょっと待ってっ」 何だかもうヤケクソになって悠雅の服に手をつける なんだか本当に酔っ払ってるみたいだ。案外僕も久しぶりに悠雅君に会えて嬉しいのかもしれない 同年代の人とこんなに長く一緒にいるのは中学生以来だった 美風はだんだん楽しくなって、服を弄る手で悠雅の脇をくすぐったりするし、それにつられて悠雅も笑いながら反撃してくるしと、思えば結局ただのくすぐり合いになっていた 「あはは…み、美風もう!やめろって!」 だがすぐに、くすぐりに耐えられなくなった悠雅が僕をソファに押し倒す 瞬間、美風の視界はぐるんと周り、悠雅とぱちりと目が合う体勢になった 悠雅はしまった…というような顔をしてすぐに退こうとしたが、美風はそれを止めた 「待って、動かないで」 「み、美風?」 「ほんとに綺麗な顔。悠雅君、凄い垢抜けたよね」 押し倒された状態で手を伸ばして、悠雅の頬を下から包む 美風は整った顔に見惚れるように優しく撫でた。 いきなりの行動に驚いて、悠雅が固まっているのを良いことに散々顔を撫でくりまわして最後に首に手を回しながらキスをした 何事も勢いが肝心だというが、まさにこういうことだろうと美風はたった今実感した 当の悠雅は目を見開き、美風をじっと見つめていた 耳と顔が赤くなっている 「あはっかわい〜…」 そう言って悠雅の胸に手を添え、今度は美風が悠雅を押し倒してそのまま腹に跨った 「み、かさ?」 「ねぇ、ゆーが」 「僕とセックスしてよ」

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