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第45話 俺のもの

「脱いで」 「……っ」 悠雅は家に着くなり、すぐに美風を寝室へと引っ張っていった 寝室での第一声はそれで、こんな早朝から…などと美風は思ったが、早く終わらせたい気持ちから、悠雅の言う通り服を脱ぐ その様子を悠雅は睨め回すようにじっと眺めていた 全て脱ぎ終わると、美風をベッドに座らせると突然ぶつぶつ言いながら肌に手を這わせるように触ってきた 「ここ、キスマ。ここも、これも」 「ちょ、ちょっと何?」 「全部新しいキスマ。あの響とか言うやつに、昨日つけられたの?」 「知らない。誰につけられたかなんて、いちいち覚えてないよ」 美風がぶっきらぼうに答えると、それが気に入らなかったのか、悠雅はムッとすると、いきなり美風の首筋に吸い付いてきて思わず変な声が出た 「ひぇっ」 「上書きしないと、ね?」 「意味、んっ、わかんない」 困惑する美風に構わず悠雅は首、肩、鎖骨と上からなぞるようにキスをしていく あまりのくすぐったさに美風が身体をよじると、悠雅は腰に腕を巻き、がっちり固定されて余計に悠雅に密着する形になってしまった 「もうっいいから…ヤるならさっさとしてよ…」 「後ろ向いて。背中も」 「まだやんの…んっ、」 全く美風の声を聞く気のない悠雅は、美風をうつ伏せにベッドに押し倒すと、再び肩から腰へ、なぞるようにキスをする そのたびくすぐったさからなのか美風の口からは嬌声が漏れる その様子を悠雅は楽しそうに眺めていた しばらくそんな状態だったが、やっとヤる気が出たのか、ついに美風の蕾に指を入れほぐし始めた 「んっはぁっ、んんっ」 「すごっ…もう3本も入った」 当たり前だろ、さっきまで響としてたんだから 2日連続で挿れられた美風の蕾はすでに充分ほぐれており、少し触っただけで準備は万端だ 「も、早くっんぅ…っ」 「まだだ」 だがそんなこと関係ないようにいつまでもそこを指で触り続ける悠雅に、焦ったくなり催促するが、いまだ悠雅は指でほぐす これはわざとなのか? 美風の気持ちいいところを掠めるのに、イくほどの快感は得られなくて、ふるりと体が震えた 「んっ…ゆうがぁ…はやくっああ!」 「っ!クソっ、」 我慢できなくなった美風は後ろを振り向き、上目遣いで煽るように言えば、悠雅もその気になったのか、再度美風をうつ伏せに押さえつけてきた 余裕がなくなりはち切れんばかりに勃ち上がった悠雅のそれを、美風の蕾に当てがい勢いよく、最奥まで一気に突いた 「あああっ!」 「…っ、みかさっ」 待ちに待った悠雅のものに喜び、きゅんきゅんと腹が疼いて、中がうねっているのが自分でもわかる 勝手に腰が動いて、自ら気持ちいい所に当てがった 悠雅もそんな美風を見て、徐々に律動のスピードを上げる 響さんの優しいセックスとは違い、悠雅の無遠慮に暴れる動きは、散々焦らされた美風に最上の快楽をもたらした 限界は早かった 美風は一度目の絶頂を迎えると、美風の中で締め付けられた悠雅も、その中で果てた もちろん、それで終わるはずもなく、すぐに第二ラウンドが開始される 先ほどよりも緩い動きだが、的確に、美風の良いところを攻めてきた 「あっあっ、ふゔっんん」 「はぁ…いい匂い…」 快楽に悶える美風をよそに、悠雅は首筋にクンッと鼻を寄せ、嗅いだり、舐めたり、キスしたりしていた 最初はくすぐったかったそれも、今の美風には全てが気持ちよく感じてしまう 後ろからくるものと、首を舐められて出る水音も全て、快楽へと変換された そして ————ガリッ———— 「ぃい"っ」 突然、肩と首筋の境目あたりに激痛が走る あまりの急な出来事に頭が追いつけない 噛みつかれた?!悠雅に肩を… そう気づいた時にはすでに、再び激しい律動に変わり、肩の痛みなどすぐに吹っ飛んで、美風の口からは愛声がでていた 「あっ!まって、はやっんぅう!」 「ふっいいね。赤くなって、花が咲いてるみたいだ」 「んっやぁ!はぅっ」 「忘れないで…この跡は、俺がつけたものだって」 ——————————— 「お前は俺のものだからって…僕はお前のじゃないっての!!ねぇ!聞いてる?」 「聞いてるよ。大変なんだね」 「ほんっっと困る!そういうの、僕に求められたってどうしようもないのに…」 美風はグイッとジョッキを傾け、一気に中身を飲み干す その様子を笑いながらも、ミナトは心配そうに言った 「ねぇミカ飲み過ぎじゃない?この前みたいに酔っ払っちゃうよ」 「大丈夫だって!僕お酒強いから」 「この前もそんなこと言って、普通に朝まで寝てたじゃん」

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