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終わりの夜 1
覚悟して。そんな風に思っていたのに、リュカは今日いつになく積極的だった。「いい思いさせてやる」って言葉の通り、手加減なしに攻めてくる姿は物凄くえっちだ。相変わらず巧みなキスだけで僕は腰がガクガクしたし、ふやけちゃうかと思うくらいとろとろにさせられた。そんな僕を見て「可愛い」って笑うリュカは格好良くて、けど、お金払ってでも抱かれたくなる女の人たちの気持ちが分かっちゃってちょっと複雑な気持ちになった。性器を舐めしゃぶられて一度絶頂させられて、その後騎乗位で責められてる途中で、僕は限界を迎えた。
リュカに可愛がられるのも悪くないけれど、やっぱり僕はリュカを可愛がりたかった。余裕ぶった格好いいリュカよりも、余裕をなくして涙を溜めた可愛いリュカの姿が見たくなって、下から腰を突き上げまくって無理やり主導権を奪った。
そうして何度も絶頂させたリュカの性器からはもう精液が出なくなって、同じくらい何度もリュカの中で精を放った僕のもいい加減くったりしつつあるけど、こんな風にリュカが休みで、一日中抱き合っていられる日はそう多くない。いつもは大抵夜寝る前にセックスしているけれど、リュカの次の日の事を考えると一晩中抱き合うなんてことはできない。だから、こんな風に時間を気にせずに抱き合える日は貴重なのだ。
「リュカ、すきだよ」
「ルー、しゅ……」
最早何度目か分からない挿入をしながら代り映えのしない台詞を囁く。リュカはやっぱり言葉をくれない。代わりに、腕を伸ばして僕の後ろ頭を抱き寄せた。リュカは気持ちよくなるとこんな風にキスを欲しがる。滑った舌に迎え入れられ、望み通りに舌を絡めると、髪に差し入れられられたリュカの指が僕の頭を掻き乱す。気持ちいいと言わんばかりに。
セックス中のリュカの仕草や行動は、言葉よりも雄弁だ。僕には「すき」って言ってる様に見えるけど、その好きは、「僕」が好きなのか、それとも「気持ちいいこと」が好きなのか。前者だって僕は受け取っているけど、それでもちゃんと言葉にして貰えなきゃ不安だ。
密着して、リュカのお尻が上を向いて挿入が深くなるとリュカが一層可愛い声で鳴く。気持ちいい奥をねっとり責めると、リュカが顎を上げて僕を見上げてきた。
「キスしてほしいの?」
「ん……ほ、しい……」
分かってるのにわざわざ聞く僕って性格悪い?けど、こんなに全身で僕を好きって言ってるくせに、頑なに言葉にしてくれないリュカの方が意地悪だよ。
「キス、すき?」
「ん……すき」
「きもちいいことは、すき?」
「す……き」
「僕のこと、すき?」
「っ……」
ほらこんな風に。唇を噛んでまで、言葉にするのを拒むんだ。仕返しに抽送を激しくして奥を責めると、リュカはみっともなく顎をガクガクさせて涎を垂らしながらびくんびくんと身体を跳ねさせた。射精しなくてもイけるリュカは、きっと永遠に何度だってイけるんだと思う。気さえ失わなければ、だけど。
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