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後輩 5
最初に言ったがアイツとの初めては酷いもんだった
舐めて濡らしたり、出したの使ったりして、何とか解して、挿れるのだって大騒ぎで。
デカい、デカいから入んなくて。
「止めましょう」
と真っ青になったのはアイツで、でもそのくせ、ペニスだけはカッチカッチで。
でもそれを許さなかったのはオレだ。
痛いわ、苦しいわ、何一つ良くなかったが、こうすることに意味があった。
オレは後輩がもっと欲しかった
もっと縛りたかった。
させたら、さらに深くコイツを自分のモノにできると思ったんだ。
「うるさい・・・小さくしろ、でけぇんだよ・・・」
オレが喚くと、なんでかさらにでかくなった。
「すみません・・・すみません・・・」
後輩が泣く。
ドクドクさせてでかくしといて、何いってんだ。
そうは思った。
後輩だって生殺し状態が続いている。
くるしいハズだ。
半端に入ってしめつけれられて。
でも、オレに欲情してんのが止められないのはわかったし、それが、オレを満足させる。
ゆっくりゆっくりそれが自分を引き裂くことが嬉しかった
痛くて辛いのに。
良くなんかない。
アイツだって似たようなものだろう。
呻きながら、それでも絶対に焦らなかった。
全部が収まった時、ノドから後輩のもんが出てくるんじゃないかと思った。
苦しくて、息もできなくて、後ろから貫かれてる痛みから逃れようと床に敷いた毛布をつかんで耐えていた。
後輩がわんわん泣いていた。
「すみません・・・すみません・・・でも・・・あなたの中だ・・・スゴい・・・先輩の・・中・・・」
その掠れた声に、何故か穴がぎゅんと締まった。
ギチギチだったから、後輩が呻いた。
痛くてくるしい。
でも、コレでこいつはもっとオレのモノになる。
そこになんか安堵があった。
「好き・・・好きです」
泣かれて、満足する。
痛くて苦しくて、それだけだけどな。
首を回して求めたらキスされた。
下手くそなキスに笑って。
痛みに耐えた。
「動け」
命令した。
アイツは躊躇したけれど、二度とオレに逆らわないと誓ったばかりだった。
おずおずと動き出した。
「ぐぅぅ」
オレは呻いた。
引き裂かれる。
苦しい。
串刺しにされる、
でも、命令した。
「もっと・・・・だ!!!」
唸るように。
唇をかみ締めながら。
鉄の味がして血が流れていた。
苦痛の声を上げたのはオレではなかった。
後輩が傷ついた獣みたいな声をあげた。
顔が歪んでいた。
オレを苦しめることへの苦痛。
そして快楽に。
オレを貫いて抉って引き裂きたい、それが気持ち良くてたまらない。
そしてそれでオレが苦しむのが苦しい。
止めたい止めたくない、命令を聞かねばならない、止めたくない、止めたい
後輩がオレと同じ位引き裂かれていた。
造反する思いに。
でも、狂ったように動く腰は、オレが気持ち良くてたまらないことを教えていたし、オレには苦痛以外の何ものでもないこの行為に、魂が貪られているのがわかった。
後輩がオレのモノになっていく。
オレだけのものになっていく。
オレから逃げられなくなっていく。
オレを傷付けてまで自分の快楽を得たからこそ。
「好きです・・・好きです」
喚きながら後輩が、オレの中で達した。
それに。
オレはやっと終わったことへの安堵と、完全にこの犬を手に入れたことへの喜びを感じた。
噛み締め過ぎて唇は切れてたし、尻からも出血していたけどな。
まあ、酷いもんだった。
歩いて帰れないから、後輩に背負わせて帰ったし、中に出されたあとのことを考えてなかったから、腹も壊したし。
一人で暮らしてるアパートに後輩にとまりこませて、しばらく寝たきりになってるオレを世話をさせたのは、まあ、当然だった。
あんまり酷かったから、後輩とセックスを再開したのは、1年後、オレが3年、アイツが2年になってからになる。
でも。
オレのになったことを。
一番嬉しかったのはオレだった。
オレは。
まだその時は。
ただ支配したかっただけなんだ。
完全に自分の思い通りになる人間を。
でも。
アイツは。
後輩は、最初からオレに恋をしてた。
なんでかわかんないけど。
オレは。
それにつけ込んで、支配しただけだった。
そこにずっと、後悔してる。
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