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セックス 6
「試合?柔道か?」
オレは聞いた。
「はい来週日曜日・・・」
アイツが言った。
最近は試合のある日(日曜日、祭日)は、夜だけくる。
前までは試合のある日は来なかったけれど、最近では試合が終わった後にオレを抱きに来る
コイツの体力は底なしなのだとわかった。
試合の後のが、興奮するのか、オレをコイツは激しく抱く。
今アイツは陸上と柔道部を掛け持ちしていた。
柔道がメインらしいが。
だが試合に来いと言われたのは初めてだった。
「無理ですよね」
アイツはしょぼんとして言った。
アイツがもう諦めた顔してるのが、なんか。
無理だったともう思ってるのがなんか。
辛くなった。
これは飼い犬だ。
セックス代わりに使ってる道具だ。
それくらいに思っていたはずなのに。
コイツがオレだけが好きだからまあ、いいか、くらいのノリだと思っていたのだ。
自分では。
だから自分でも驚いた。
「別に・・・見に行ってもいいけど?」
そう言っていた
オレの言葉とは思えない。
どこのツンデレヒロインだ。
そういうんじゃない、そういう関係じやないと思っていたからだ。
なんでオレがコイツの試合なんか見に行くの?
ただ、気持ちいいからしてるだけ、ただ一方的に好かれるのが悪くなかっただけ、それだけのはずだ。
でも見てる間にしょぼんとしていた顔が、嬉しそうに変わるから。
そして強く抱きしめられるから。
「僕、頑張ります」
なんて言うから。
まあ良いか、なんて思ってしまった。
「先輩・・・先輩・・・好き」
囁かれてキスされて。
胸の尖りを齧られて、吸われて、弄られて。
その間に、オレはアイツのを指で搦めて扱いてて。
イキそうになると締め付けていかせないのを繰り返されると、出してないのにイケてしまう。
そんなことまで覚えた身体を好きなように弄れて。
でもそれが良くて。
オレもオレでアイツの身体を好きにして。
オレを呼び捨てにしてイクアイツを許した。
オレはアイツを呼ばない。
でもしがみついて叫んだ。
オレは分かってなかった。
アイツにはオレだけだと言うことは理解していた。
アイツには他人や世界を実感できないということ、
何故かオレだけは別なこと。
それは知ってたから。
でも。
オレにだってアイツだけしかいない。
オレこそがアイツだけなんだってことに、まだそのときには気付いていなかった。
オレ達の関係は変わり始めていた。
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