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リバイバル 4

「あなたと僕の関係って何なんですか」 アイツが困惑して、真っ青になりながら聞いてくる。 なにがあったのか信じられないのだ。 「この僕が・・・土下座なんて。そんなこと・・・」 アイツは自分が信じられないようだ。 わかる。 普通はしないよ、そんなモノ。 オレだってさせたわけじゃない。 でも、お前は何回かしてるからね。 オレあいてにやりすぎた後に。 オレがガチでキレた後に。 脳に記憶はないけれど、オレを怒らせた時の対処を身体は記憶していたらしい。 でもそれ、お前がそれだけやらかした証拠だからね。 ダメって命令されたら止めないといけないから、言わせないようにオレを声を出せないくらい追い詰めたり。 おかしくなって言えなくなってるのをいいことに無茶したり。 お前がお前の快楽を後先考えず追及した結果だからね。 「手術の前からお前は何故かオレだけは実在していると実感できたんだ。だから、手術の前のお前は世界に1人しかいないオレに執着したんだ」 オレは説明した。 アイツは膝を抱えて真っ青になって座っている。 自分がした事が認められないらしい。 わかる。 わかる。 今のお前は俺様っぽいもんな。 「今思えば。たった一人だと思ってたところに、人間が現れて、その人間であるオレにはおまえはただ一人ではないっていうの、辛かったと思うよ。嫌われたくない、失いたくない、土下座でもするくらい孤独だったんだろう」 同情はするが、望まないことをされる筋合いもないので土下座については悪いとも思っていない。 お前が悪い。 疲れてるからとか、怖いから嫌だとか、ちゃんと理由があるから拒否しているものを、快楽で押し切るってのは良くない。 今回もそれをしようとしたから土下座は当然、別に許さなくてもいいんだぞ。 「その頃の行動が反射みたいになってて、身体は反射したんだろう」 オレはアイツに言う。 身体は忘れてないってヤツのエロくない番か。 でも続ける。 「でも、止めろと言ってるのに続けるのは男のする事じゃねぇ」 そこは言っておく。 オレは嫌がる女の子に無理やりしたことなんか一度もないぞ!! 「僕だってそんなことした事ない・・・嫌がられたことないし。でもあなたがこれで終わりみたいなこと言うから・・・」 なんかムカつくことを言い始めた。 へぇ。 モテる男は拒否されないってか。 だがオレの方が顔はいい。 圧倒的に。 「オレは・・・ちゃんと好きだったからセックスだけの関係になんかなりたくなかったんだよ」 オレは正直に言った。 「セックスだけじゃない関係なんかあるんですか」 最低の男に育ってたコイツはそんなことを言う。 クソ下手童貞だったくせに。 ムカつく。 「世界にオレしか居なかった頃のお前はそんな事を考えもしなかったと思うぞ。だからオレはゲイでもなかったのにお前に絆されてしまったんだよ」 オレはオレの知らない悪い男に言う。 「あなたがオレに手術を勧めたんですよね」 アイツが見透かすよつな目でオレを見て言う。 「そんなあなたしか見てないオレが好きだったのに?」 アイツの言葉にオレは笑った。 「好きだったからだ。オレしかいないなんてそんなの寂しすぎるだろ」 まあ、その結果お前を失ったけど、お前に手術を受けさせたことだけは後悔してない。 アイツがオレを見る。 なんだかいじけて膝を抱えていたアイツがオレを見上げてる。 真っ直ぐにオレを見る。 なんだ。 その目は。 アイツは初めて窺いしれない目ではない、素直な目でオレを見た。 ただ、その目がなんつーか、あこがれというか、なんか綺麗なもんを見てる目でそれに驚いてしまう。 オレ、なんかした? 「・・・あなたは。素敵だ」 何故か突然そんなことを言われて。 アイツは正座し直した。 そして再びオレに頭を下げた。 土下座というよりは、武闘家の丁寧な礼だった。 綺麗な所作に見蕩れてしまうほどの。 「すみませんでした。僕はあなたに失礼すぎた」 心からの謝罪だった。 オレは。 ポカンとそれを見つめるしかなかった。

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