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リバイバル5
アイツは大人しく帰っていった。
何度も何度も振り返りながら。
ドアから見送った。
帰る前にアイツはオレの頬に手を伸ばそうとして、触れる寸前で止めた。
「・・・あなたが良いと言うまで、触らない」
苦しそうに言われた。
その顔にドキリとした。
苦く笑われ、胸が傷んだ。
条件さえ合えば、オレは誰とでも寝るくせに、コイツにこんな顔させて、と、罪悪感がよぎったが、コイツとだけは簡単な関係にはなりたくなかった。
「セフレじゃなければ良いんでしょう?友達になってくれますか」
アイツに言われて。
断わりきれなかった。
柔らかい目の光は、昔の一途でオレに夢中だった頃のモノとも違って。
大人な態度も、オレが取戻したかった昔のアイツとは違って。
オレはしどろもどろになりながら受け入れたのだった。
アイツを見送ってから、オレは座りこんだ。
どうなってるのか分からないし、どうすればいいのかも分からない。
悪い男なアイツにも振り回されたけど、
急に現れた、紳士なアイツもわからなかった。
ただ。
ドキドキしてて。
めちゃくちゃドキドキしてて。
アイツのことしか考えられなかった。
ああ。
好きだ。
情けなく土下座してた時はオレのアイツで愛しさが込み上げてきたけど、ちゃんと正座して謝罪された時はカッコイイと思ってしまった。
いや、アイツのしようとした事は悪いことだけどな!!
オレのアイツではないけど、アイツはアイツで。
オレは。
やはり恋をしていた。
オレだけを見る目を愛したあの頃とは違っているような気持ちで。
「ヤバい・・・」
オレは膝を抱えて丸くなる。
まだ身体のあちこちに残るセックスの感触を追いながら。
世界が終わるまで後363日。
それだけが分かってることだけど、どうすればいいのか分からないのが恋なんだな、と思った。
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