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リバイバル 7

仮説。 オレが行動を起こした結果は変わることはあっても、オレが毎日の流れに乗って動くことに対しては大きく変わらないみたいだ。 でも、全てではない。 ヤクザとの出来事のあと、その日のジムでの練習で、スパー相手に手酷くやられてしまったのも覚えていたからどうにかしようとしたか、やはり酷くやられた。 分かっていてもどうしようもないこともあるみたいだ。 その日の体調とか色々だ。 普段なら軽くいなせる攻撃が、その日ばかりはジムの仲間は別人のようにキレがよく、研ぎ澄まされきった感覚でどうかしてんじゃないかと思うくらいオレの攻撃を読んできた。 この日のこいつは最高で。 この日のオレは最悪だった。 まあ、やられた。 そういうもんである。 格下にやられる日もある。 試合で勝てばそれでいい。 それがボクサーだ。 だが、オレはオレの調子が戻ったなら覚えとけよ、とスパーが終わった後もはしゃいでいるそいつに大人気なく吐き捨てていた。 「やだね、子供だよ、この人」 「情けないね」 「ダメな大人だね」 と言ってくるジムの連中に中指立てて負け惜しみをしていたのは前の時間と同じで。 変えられることもあれば変えれないこともあり、何より大きな流れみたいなんはオレでは変わらないのではとは思った。 まだわからないけど。 でも、世界が終わることはかえられない。 何故だか言えないけど、そうなんだ。 それはわかっていた。 そうそう。 ヤクザの話だが、あの後やたらとあの男に気に入られて、「どこでボクシングしてるんだ」「何級だ」とか聞かれたけど、「反社と関係したらプロボクサーはだめなんで」と塩対応にしておいた。 警察が来て、話を聞きに運転手と共に警察まで連れて行かれる時も機嫌よく協力的に連れて行かれてたけど。 変なヤクザだった。 暴力の匂いはするけど、ヤクザ臭くはない。 オレはスパーでいいのを貰って腫れた目を冷やしなから、家で色々考えを巡らせていた。 この巻き戻しでどこまでオレが変えられるのかとか。 アイツとこの先どうすりゃいいんだろ、とか。 そんな時、携帯が鳴って、秒で出た。 アイツからかと思ったのだ。 だって電話するって言ってたし。 ドキドキしてた。 「やあ」 それは知らない声だった。 いや、聞いたことはあるような。 「誰だよ?」 アイツじゃないなら塩対応。 ガッカリを隠そうともしない声で。 「今日会ったじゃないか」 楽しそうな声が、昼の奇妙なヤクザと繋がった。 反社、人の個人情報にどうにかしてアクセスしやがった。 「サヨナラ」 オレは電話を切った。 すぐにブロック。 当然だね。 また鳴った。 違う番号だ。 「はい?」 オレは応える。 そうかなと思ったが万が一のために。 「切るなよ」 苦笑混じりに言われた。 あのヤクザだった。 やはり。 妙なのに気に入られたな、と思ってため息をつく。 「反社との付き合いはプロボクサーとしては困るんで」 きっぱり言っておく。 ヤクザに気に入られたのは初めてじゃない。 だが、ヤクザと付き合っていいことなんか1つもないのだ プロボクサーじゃなくても絶対関わらない。 「そんな綺麗な顔なのにボクサーだし、しかもその性格。いいなあんた。単にあんたのファンなだけさ。・・・またな」 そう言われて電話を切られる前に切る。 また、はない。 ヤクザなんていらない。 また電話がなった。 「いい加減にしろよ、このヤクザ!!警察呼ぶぞ!!」 オレは怒鳴った。 「ヤクザ?警察?あなた何に巻き込まれてるんです?」 物凄く低い声が響いた。 これはアイツからの電話だった。   しまった、と思った。

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