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オナニー 1
「お前、何言ってんの・・・」
オレは後ずさりしたけど、やはりアイツは速かった。
オレの間合いを一瞬で詰めてくる。
いや、スピードだけじゃない。
なんかわからない間に距離が無くなり、もう掴まれている。
格闘家としての技量が違うと思った。
背中から抱き込まれて、力が抜けてしまう。
こっちはもう長いことコイツが欲しくてたまらないのだ。
でもアイツはオレの手をそっと取っただけだった。
「オナニーするんでしょう。見せて下さいよ」
アイツが囁く。
そしてオレの手に自分の手を重ねて、オレの股間へ導いた。
自分の手ではなく、オレの手を使って服の上からオレのペニスを揉みしごき始める。
「ほら、オナニーして下さいよ・・・」
低い声が囁かれる。
使われてるのはオレの手だけど、その扱き方は紛れもないアイツのリズムとやり方で。
オレはそれに囚われる。
「あっ・・・ああっ・・・ひぃっ・・・」
声を我慢できないのは、高校の頃からアイツにそうされたせいで。
「声、我慢出来ないのエロいですね」
アイツに囁かれて、お前のせいたと喚きたいけど、これはアイツの記憶にはないのだ。
「前だけじゃ足りないでしょう」
アイツが囁いてくる。
そう、足りない。
もう前だけじゃイケない身体になってる。
それもコイツのせいだ。
シャツを捲られ、もう片方の手を乳首へ持ってこさせられる。
乳首に指が触れた瞬間、もう自分で弄ってしまう。
だって、ちんぽが擦られてて、気持ち良くて、もっと欲しい。
乳首、摘んで、痛くして、潰して、回して。
爪先でカリカリして。
「乳首気持ちいいの?」
深く低い声で言われてうなづいてしまう。
もうアイツの手とは関係なくオレはズボンの中に手を突っ込みこすり上げ、乳首を指で弄り声をあげていた。
アイツにもたれ掛かり伝わる熱が1番心地よい。
オレのアイツの熱だ。
それに酔う。
腰を突き上げるように動かしながらペニスをしごきあげ、淫らに指で自分の乳首を弄る。
こんなに強く乳首をいじるのは止めていたからたまらなく気持ちいい。
ジムで着替えとか色々あるから、遠慮してたのに!!
「ああっ!!イクっ!!!」
叫びながら達した。
部屋着のスウェットを汚してしまう。
でも久々の乳首をたっぷり弄るオナニーが気持ち良すぎて。
力の抜けた身体をささえられながら床に下ろされる。
アイツの熱に包み込まれているから身体がおかしい。
出したばかりなのにもっと欲しい。
「後ろでもするんでしょう?」
アイツが囁きながら、オレの尻の間に膝を押し付けてける。
それに反応してしまう。
穴の上を擦られるの気持ちいい。
「汚れた服も脱ぎましょう」
アイツに服を脱がされるのに、無抵抗になってた。
触って欲しい。
触って。
でも、触ってくれない。
細心の注意でオレの肌に触れようとはしないアイツの指が妬ましかった。
「ほら、乳首好きでしょう、弄って」
自分の乳首に、オレの手をまた持って来られたなら、もういじらずにはいられなかった。
乳首。
好き。
気持ちいい。
夢中になって両手で乳首を弄ってる間にアイツは勝手に引き出しを開けてローションとディルドを取り出していた。
そう言えば再会してこの部屋に来た日にこの引き出しを開けたな、と思い出してしまった。
でも、オレはそれどころじゃない。
オレは乳首だけでイくのに必死だったからだ。
好きな男の身体が近くにあれば、それが可能性だと分かってた。
そして、ソコだけでイクことの気持ち良さも。
流石に、1人で乳首だけでイったことはなかったけれど。
乳首を弄りながら腰をくねらす。
近くにいる男に弄られているのだと妄想しながら、その男に見られてると実感しながら。
「いやらしいすぎるだろ・・・」
アイツが苦しげに呻く。
その声に抱かれている気持ちになってしまう。
ローションとディルドを持ってきたアイツは、オレに触れないように細心の注意をはらいながら、オレの上にのしかかるような体勢で、オレの痴態を喉を鳴らしながら見守ってる。
飢えたその目にさらに感じて、乳首を弄る指が止められない。
とうとう、自分で乳首を弄るだけでイった。
それは流石に初めてで、怖くて泣いてしまった。
「可愛い・・・やらしい・・・」
アイツの呻き声がした。
アイツもオレを見下ろしながら、自分のを擦っていて、それにオレも興奮してしまっていた。
でも、オレもアイツも、身体のどの部分にも一切触れないままで。
それが切なくてオレはまた泣く。
「後ろも欲しいんじゃないですか。こんなデッカイの使ってるんでしょう」
アイツがローションとディルドを渡してきた。
オレは泣きながらそれを受け取った。
こんなの。
こんなのより欲しいのがあるのに。
でも。
もう我慢出来なかった。
オレはローションでディルドを濡らし、それをアイツの目の前で、脚を開いて突き立てたのだった。
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