63 / 84

オナニー 3

思い切り突き上げられる激しさに耐えた。 アイツはそんなことはしてこなかったのに、飢えたように貪られる。 「ああっ・・・ひあぅっ!!ふぎぃい!!!」 オレはスゴい声で叫ぶ。 着き止まりをこんなに突き上げられた事がない。 デカいのに引きちぎられるぐらいに押し広げられ、貫かれ、串刺しにされる。 苦しい。 のに、いい。 ただがむしゃらに欲しがるみたいな行為が。 今はいい。 オレがセックスに慣れきった身体だから? それもある。 オレか初めてだったなら、泣いて「止めて」とせがんだだろう。 でも、セックスに慣れた身体はこれをセックスとして受け入れている。 でも、それだけじゃない 同じ位、セックス慣れてる悪い男のコイツが。 こんな風にオレを、欲しがることが1番オレを興奮させていた。 初めてみたいに。 オレを欲しがる。 慣れた女を抱くように、知った楽しみで使われるようではない抱き方に、切ない位感じてしまう。 そんなオレを飢えた目でアイツがみている。 オレを貫く杭のようなペニスと同じ位、オレを貫く瞳で。 「・・・抱かれ慣れてて、いやらしくて・・・こんなにされても感じてしまうんですね」 辛そうにアイツが言った。 苛烈に突き上げながら。 身体事ぶつかるようなソレに、オレはガクガクと身体を震わせる。 壊れる。 壊されると思った。 オレが女の子だったら、壊れてる。 でも、オレは喜んだ。 アイツの言うように。 オレの身体はいやらしい。 でも、それはお前がそうしたんだ。 お前がオレをだいて舐めて、しやぶって触れて、なんどもなんども犯して、そうしたんだ。 他のヤツらがしたことなんて、オレに何も残しちゃいない。 オレはお前にされたセックスだけをこの身体でなぞり続けて生きてきた。 「何人としたんですか?こうなるまでに。こんなに酷くされて感じる程に開発されて」 口調は悲しげだったけれど、アイツはオレの腰を持ち上げ、またガツンガツンと突き上げた。 衝撃が脳にまでくる。 「ひぐっ・・・あひぃ!!あひぃ!!!」 喉を震わせて、空気を求める。 でも。 イク。 激しささえ、苦痛さえ、今のオレには快楽で。 呼吸すらまともに出来ないセックス。 いや、これは拷問のような愛だった。 アイツが生まれて初めて、手加減無しで自分をぶつけてきているのを知る。 高校生の時だってアイツはそんなことはしなかったのだ。 どんなにセックスの虜になっていても。 「お前だって・・・オレ以・・外を抱いて・・・たんだろ!!」 オレは酷い突き上げに、それでも感じてしまいながら叫ぶ。 こんな酷いセックスをどこで覚えた? その相手の女はどうなった? どうしたんだ? 「女は沢山抱きましたよ。抱いても抱いても足りないし、女は弱いから、壊さないように並べて順番で抱くようなことまでしましたよ。頼むからバレないようにだけはしてくれ、と周りからは言われてましたよ」 淡々と言われる。 でも、何で傷ついたような顔されてるわけ。 そんな話聞かされて傷つくのはこっちだろ。 そう言いたげな目を向けたら、唇を塞がれ、呼吸が止まるようなキスと、また酷く突き上げられる。 それでも突き上げられる度に勃起したままの自分の性器から精液やそれ以外が飛び出すこととや、痙攣して感じるものが快感であることが自分でも恐ろしい。 死ぬ。 これは死ぬ。 やばい。 そう思った。 「酷いよ。あなた。酷すぎるよ。・・・僕はずっと足りなかった・・・足りなかったんだ。あなたが僕を置いていくからだ」 オレを殺そうとする男が、オレの上で泣きながら言う。 「オレはあなたを初めて抱いた記憶さえないのに、あなたが足りないことだけは、ずっとずっと分かってたんだ」 その言葉に。 泣いてる顔に。 キた。 どんなやらしい突き上げよりも、キた。 その泣き顔でイった。 イキまくった。 突然イキまくるオレに流石にアイツも戸惑って止まる。 当然アイツのペニスも絞りとるべくオレが絡みつくわけで。 アイツも呻いていた。 アイツがイカなかったのは褒めてヤリたい。 「・・・・・・可愛い・・・」 オレは両手でアイツの顔を挟みながら言ってた。 驚いたように目を見張る顔に、高校生のアイツが見える。 コレは。 コレは。 オレのだ。 オレだけの可愛い男だ。 それだけはわかった。 「可愛いって・・・あなた僕に何されてるのか分かってるんですか?」 酷く犯していることを、自覚していた、酷い男が驚くように言ったが知ったことじゃない。 これは。 可愛いオレの男だった。 「オレを覚えてなくて。でもオレに夢中で。オレを抱いた男や記憶にない自分にまで嫉妬してんのか・・・お前、可愛いなぁ・・・」 声が甘くなってしまう。 図星で真っ赤になるから余計だ。 オレはアイツの身体に脚を絡めて、淫らに腰を揺らした。 「好きに抱け。嫉妬も含めて・・・付き合ってやる」 オレはアイツの耳を噛みながら囁いた。 アイツが呻いた。 殺されるようなその声に、オレは笑う。 「女じゃねぇから壊れねぇよ」 オレは。 強い男だからな。 アイツは泣いた。 ポロポロ泣いた。 「壊さない。壊すはずが無い。なんでなんでなんで!!!何にも覚えていなんだ!!!!あなたの記憶がないんだ!!!」 アイツの叫びは。 切なくて。 だから。 全部。 全部。 許した。 アイツが抱いてきた女達も、オレを忘れたことも。 アイツのせいじゃないと分かっててもそこは理屈じゃなく許せなかったことを許した。 「もうオレだけだぞ」 そう言った。 「あなたも、僕だけだ」 そう言われた。 そして、またアイツが動き始めた。 でもそれは。 激しく貪るようなものではなく。 もっとヤバいモノだった。 「僕以外、ダメな身体にする」 悪い男が本気で言ってた。 有り得ないくらいヤバい腰つきで。 もうそれは、激しく責めるだけのようなモノではなくて。 本気で身体を堕しに来てた。 悪い悪い男が。 セックスに慣れた狡い男が。 それは。 ヤバい。 ヤバい。 あ、何でそんな風にそこを抉れるの・・ そこをじっくり責めるなんて・・・ いやらしすぎた。 「あ・・・ダメ・・・許し・・・」 オレが許しを求める程の。 「もう・・・・ああっ・・・・・」 声を我慢出来ないオレが声さえ失うような。 許されることなく。 朝まで。 オレはアイツにめいっぱい身体で本気で口説かれたのだった。 オレのセックスの経験値など大したことでは無かったことを自覚させられながら。

ともだちにシェアしよう!