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空白と嫉妬と無い未来 5

望んで帰って来たのに、そして幸せなのに。 アイツのいる暮らしの中でそれでも考えてしまう。 考えても仕方ないことなのに。 再び会うこと泣く死んだ、もう1人のアイツのことを。 死んで消えていく意識の中に少しでもオレを思い出したりはしなかった? 何を思った? 誰といた? それが悲しみになる。 オレを思い出しているアイツはやはりこちらにもいなくて、オレを忘れたアイツがオレを愛してくれて。 とても愛してる。 アイツなことには間違いない。 でも、コイツはオレと初めて出会ったアイツなの? オレを忘れて死んだアイツなの? それは同じとは言えない。 オレの中には悲しみがあり、それは消えることはない。 オレを忘れる前のアイツ。 オレを忘れて死んだアイツ。 どちらもオレは愛してるからだ。 そして今、オレといるアイツも。 この巻き戻した世界で、生きることの意味はもう一度アイツに会って取り戻すことだった。 それをいたい程わかっていた。 だから幸せなのに、どこか苦しい。 その苦しさの意味が分からずにいた。 アイツはアイツで、時に追い詰められたようにオレを抱くようになった。 「僕のだ。あなたは僕の」 奥まで犯しながらオレに繰り返す。 お前のなのに。 だから戻ってきたのに。 「オレはお前のだし。お前もオレのだ」 そう何度も囁いてやる。 オレの身体はすっかり淫らになってるが、ここまでオレを蕩けさせるのはコイツだけなのだともう知ってる。 そう言いながら、オレを忘れてなかったアイツを思い出してしまう。 オレしかいない世界てオレを抱くアイツ。 オレに抱かれる良さを教えたアイツ。 「ココがいいって教えたのは・・・誰なんですか、あなたの身体はどこもかしこもいやらしいすぎる・・・」 アイツが隠しきれない嫉妬で叫ぶ。 オレの奥がアイツを欲しがって吸い付くからだ。 でも、そうしたのはアイツなのだ。 覚えていないだけで。 それがアイツには悔しいらしい。 「お前だよ・・・お前がこうしたんだ・・・」 オレはアイツに教えてやる。 他の男達はオレに何の痕跡も残しちゃいない。 お前の代わりに使ったバイブでしかない 「僕は・・・それを覚えて無い・・・知らない・・・でも、今のあなたを抱いているのも、この先のあなたを抱くのも僕だけだ!!」 アイツは唸って、オレを喰らい尽くす。 もう乱暴にされても、抱かれなれたオレの身体は感じてしまうから。 今のオレはお前のだ。 でも先はないんだよ。 未来などない。 世界は終わる。 でもそれは言えないことなのだ。 罪悪感がさらにオレを感じさせる。 そしてアイツは奥までぶち抜きながら、手のひらでうっすら浮き上がり膨らんだそこを押す。 手のひらで外から、巨大なペニスで中から、手のひらで外から刺激され、オレは透明な液体を自分のペニスから吹き出しながら、イキ狂う。 ひぎぃ ひいっ ひぃぃ 叫び続けてアイツからしぼりとる。 これは今のアイツからだけされたことで、だからこそ、コイツはコレをするのが好き。 アイツは奥をつらぬき、腹まで突いて、手のひらでそこを可愛がり続ける。 腹の奥でイク。 白目を剥きながら。 「僕だけを愛してほしい。今の僕だけ」 アイツが囁いてくる。 でもそれは無理。 無理なんだ。 過去のお前も、オレと再会できずに死んだお前も愛してる。 どれもお前だ。 「僕にはあなただけなのに」 アイツが叫ぶ。 ああ、その通りだ。 罪悪感が何故かある。 どれもお前なのに。 アイツは過去の自分にしか嫉妬してない。 死んだ自分のことは知るわけがないからだ。 でもオレは言えない過去の恋人みたいに、もう1つあった未来のお前のことを思ってる。 「僕はあなただけ、あなただけだ!!!」 アイツの叫びが。 苦しかった。 そして、でも。 オレを忘れたアイツと、オレを忘れて死んだアイツが恋しかった。 こんなにも愛され抱かれていても。 オレは。 どうすればいいんだろう。

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