14 / 25

第2話-3

休憩がてら、中庭に来たのに袮音は2人のことが気になって仕方がないのか、後を追いたくなっていた。 「おい、袮音。ココに休憩に来たんじゃないのか?」 「何か気になって…」 「とりあえず、体調良くないなら休むこと!」 強引にガゼボ内に袮音を入れ、椅子に座らせた。 それでもまだ視線は合わせてくれない。 自分が目の前に居るのになぁと、少し嫌な気分になった陽濔は向かいに座ると背けている袮音の顔を両手で軽く掴み振り向かせる。 「っ!」 「俺が居るのに、あっちばっか気になってるんだ?拗ねちゃうよ?」 「あ、ゴメン」 バツが悪そうな表情をする袮音に、陽濔は悪戯に笑った。 「あのさ、袮音。体調悪いって、発情期(ヒート)なんじゃないのか?さっきから、何となく匂うんだけど?」 「え?そんなこと…」 食堂に居た時は何も無かったから、油断してた。 向かいにはαの陽濔と、密室ガゼボ。 マズい… 何とかココから出て、抑制剤を貰えないか保健室に相談しに行こう。 椅子から立ち上がろうとしたら、お腹の奥が疼き出してきているのが分かった。 それと同じく、陽濔の顔が獣の様に変わっていて、捕食されてしまうのではないかと慌てた。 「…っ」 「何だよ、袮音。やっぱり発情期(ヒート)来てるじゃん?俺に嘘付いてた?」 「ち、違っ…」 「違わないだろ?」 腕を捕まれ、咄嗟に拒否反応をしてしまう。 密室で匂いが充満してきたからか、陽濔の呼吸が荒くなって雄のような目で袮音を見ている。 それに伴って、更に発情期(ヒート)が加速していくのが分かった。 どうしよう… このままじゃ、僕は陽濔くんと関係を持ってしまう。 そしたら、今まで築き上げてきた友情…友達ではいられなくなる。 色々考えてはいるが、発情期(ヒート)に抗えなくなってきた袮音はガゼボで(うずくま)ってしまう。 陽濔は平然を保とうと、一旦ガゼボから出ることを選択した。 「っ、ちょっと待ってて。あの人、呼んで来るから」 1人にさせたくはなかったが、このまま2人でガゼボに居ても、自分が袮音を無理矢理抱くことしか想像が出来なくて、陽濔は助けを求める方がお互い良いだろうと判断した。 「はぁ、はぁ…誰、か…っ」 こんな凄い発情期(ヒート)に出会っていない袮音は、何をどうしたら良いのか判断が出来ず、本能に従うように勝手に手が下半身に延びる。 性急にスラックスのファスナーを下げると一気に、幼い性器を曝け出した。 既に下着はぐっしょりと濡らし、ヒクつくアナルに指を這わせる。 自分の体じゃないみたいだと袮音は涙を溜め、譫言(うわごと)のように奏の名前を呼んでいた。

ともだちにシェアしよう!