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第2話-4

(正直、危なかった。 祢音が発情期になって、あれほどまでにフェロモンを撒き散らすなんて… 誰よりも強い匂いで、脳神経がイカれるかと思った) 甘さの中に含まれる濃い何か… 陽濔は一刻も早く奏を見つけるために、走って校舎をウロウロする。 早く奏を呼ばないと、祢音の体に発情期以上の何かでおかしくなってしまうのかと思うと、居ても立っても居られなかった。 学校の規則で建物内で走り回ることは禁止されているが、それどころでは無い。 多分、彼しか祢音を助けられないんだと確信した瞬間に無我夢中で探し続ける。 初夏で額から汗もじんわり出てくるが、そんなことなんてどうでもいい。 早く、早くと焦る気持ちが先行する。 息を切らせながら左右を見たり、時折、もう校舎内には居ないのかと思い、外を見る。 (あとは、どこだ?…来賓だから、学園長の部屋?!) 階段を駆け登り、長い廊下の一番奥。3階の角部屋。 ここに来て(ようや)く、遠くに居る2人の姿を確認出来た。間違いない。 「あ、あの!」 少し声を張って、届くくらいのトーンで声を掛けてみる。 すると、伊織がそれに気付き陽濔の方に振り向いた。 「ハァ、ハァ…袮音の…関係者の方、ですよね?」 息を切らせながら言葉を紡いで問い掛けると、伊織はそんなに焦ってどうしたのかと聞いた。 一旦、落ち着いて事情を説明するなり、ガゼボの場所まで連れて行くと陽濔が率先して誘導して行く。 「ちょっと早いですか?」 気を利かせて後ろを向いてみると、伊織しか来ていないことに気づく。 「あれ?奏さんは?」 「あぁ、あの人なら先回りしていると思いますよ?結構、学校(ココ)には来ていますから」 そう言って外を見る伊織に疑問を持ちながらも、多分大丈夫なんだろうと何処かで思っている陽濔は、急ぎましょうと道案内をしつつガゼボへと向かった。 先に着いていた奏はガゼボの扉を開けた。 すると、異様なフェロモンの匂いに、これ以上誰かをここに入れては袮音を喰い尽くすだけだと思い、内側からロックを掛ける。 「ぁ、あっ……な、で…様っ」 淫らな格好と、辺りには自分が濡らしたであろう愛液が水溜りのようになっていた。 もう殆ど自身の意識とは関係無く、ただ奏の名前を呼び、利き手で性器を扱く姿は、これまで見たこともない痴態で妖艶ささえ感じてしまうほどだった。 余程辛いのか、涙と開きっ放しの口からは唾液が垂れ、顔は既にグチャグチャ。 「袮音。分かるか、私だ」 そんな声掛けをしても、ほぼ反応すら見せない。 目は虚ろで呼吸も少しずつ早くなっている。分かってはいたが、発情期の重症化。 これは抑制剤を飲んでも、効かないレベルにきていた。本当に酷い場合、意識さえ失うと聞く。 人間はこれほどまで弱い生き物なのかと、思い知らされた。 幸い、辛うじて意識があるだけマシかと袮音をお姫様抱っこで抱えガゼボのテーブルへ寝かせる。 もう抱き潰すしか方法がないと分かった奏は、袮音の細い両足を自分の肩に乗せ挿入の準備をすると、ヒクつかせているアナルに(そそ)り勃つ欲望を一気に体内へと埋め込んでいく。 「ぅ、あ"ぁぁぁぁぁーっ!」 体が裂かれたような痛みが走り、袮音は叫声を上げた。

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