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<4>お風呂&尿道編 *以下、エロサンプル
残業がないうちの会社は、七時を過ぎるとがらんとしてほとんど誰もいなくなる。ブラック企業云々と騒がれる今時では珍しいかもしれない。他の部署はすっかり電気が落とされて、静まり返っていた。
「主任ー、早くクリハンしましょうよー」
「うるさい。もう終わるから」
目の前には、ぴっちりスーツを着こなしてエクセルと格闘する智樹さんがいる。二人きりのときには、多少くだけて話しても怒られなくなった。椅子をガラガラ動かしてデスクに近づくと、いつもつけてる香水の匂いがした。エッチしてるときを思い出してムラムラしてくる……。
普段は仕事してる場所でイケナイこと……もし誰かに見られたら……ってスリル。そんなシチュエーションも手伝って、無性にキスしたくなった。
「ふう」
やっと終わったみたいだ。パソコンと社名が入った封筒を鞄にしまって、いつものようにPSPを取り出す。気が緩んでまた子供っぽい顔になってる。かわいい……
「智樹さん……」
近づいて、顎を持ち上げた……瞬間。
ゴッ!
「いっ……てええぇ!」
鈍い音がして、また本気で頭を殴られた。グーで。手加減なしで……。
「ふざけるな」
「どうして? キスしたらだめで……べふっ」
今度はデコピンが飛んできた。智樹さんの爪、手入れしてる女の人みたいに綺麗だけど、長いから痛い……。
「声がでかいんだよっ! ……あー、とりあえず、出るぞ」
「うぅ……はいぃ……」
本気のグーパンチだったから、怒って帰られちゃうかと思った。絶対たんこぶできてるよ、これ……。痛い……。スーツの襟を猫みたいに掴まれて引きずられながら、そのまま会社を後にした。
智樹さんの家に着いた途端、リビングで正座するよう命じられた。テーブルを挟んで向かい合う。
「お前、前に「ホモってどう思う?」って聞いたよな」
「はい……」
俺が告白した時だ。あの時のことはあんまり思い出したくない。恥ずかしいし、暴走してとんでもないことしちゃったし……でも、智樹さんの雄っぱいはすごくえっちだった。
「俺は別に、同性愛に偏見はない。自分には関係……なかったからだ。本人たちがよければ、好きにしろと思ってる。ただし、「人に迷惑をかけなければ」だ!」
迷惑……のところだけやけに強調して言う。
「誰かに見られたらどうする? 守衛さんだって、いつ来るかわかんねーだろ」
「いつも来るのは十一時過ぎじゃないですか」
「窓」
「隣のビルは電気消えてましたし、見られるわけないですよ」
自分でもああ言えばこう言うでウザいなあと思うけど、売り言葉に買い言葉でつい反論してしまう。
「……電気ついてたら、しなかったか?」
「う……」
智樹さんは逆ギレしたり怒ったりせず、俺の痛いところを突いてくる。
「最悪の可能性を考えろ」
「俺は別に、見られてもいいと思ってます」
本当は、見られて上にチクられたらクビだってこと、馬鹿な俺でもわかる。けどそんなことばかり気にする恋人が焦れったくて、ついムキになってしまった。俺は見られてたって、クビになったっていいくらい智樹さんのことが好きなのに。
「お前はいいよ。けど、見たヤツの気持ちを考えろ」
「………」
そう言われると何も言えない。確かに、俺も友達……たとえばリョウが、会社で男とキスしてたらびっくりするし、トラウマになるかもしれない。
「会社、外、公共の場。そこでは変なことするな」
「……わかりました」
青姦とか最高に興奮しそうなのにな……。そう思ったけど、もちろん口には出さなかった。智樹さんの言い分もよくわかる。クビになるのも嫌だし、他人に不快な思いをさせるのも嫌だ。俺はこの人とずっと一緒にいたい。
「よし、やるか」
これでこの話は終わりだと言わんばかりに、智樹さんはいつものテンションに戻ってクリハンを取り出した。嬉しくなって、俺もゲーム機を鞄から出す。
「この間、久しぶりに会った友達と四人でやったんですよ。そしたらそん中で俺が一番レベル高くて、武器も強くって、俺が一番大活躍したんです! ほとんど俺が倒したようなもんで。やっぱ二刀流強いっすねー」
「よかったな。じゃああれから上がった?」
「今82Lvくらいっすかね」
他愛のない話をしながら、ピコピコとボタンを連打しながら狩りを続ける。……ふとさっきの話を思い出して問いかけてみた。
「あの、家の中だったら何してもいいってことですよね?」
「うん」
クリハンに集中しすぎて、完全に空返事だ。俺はポーズボタンを押して、下から顔を覗き込みながら言った。
「一緒に、お風呂入りたいです!」
眉間に皺を寄せた智樹さんが顔を上げる。
「絶対に嫌だ」
「どうしてですか? 外ではいちゃいちゃできないし、いいじゃないですかっ」
「狭いだろ。風呂くらいゆっくり入りたい」
「智樹さんちの風呂、俺んちの倍くらいありますよ。大丈夫ですよ」
「倍もあるわけねえだろ……」と渋る恋人に、「お願いしますっ」「一緒に入るだけでいいから」と食い下がると、ついに向こうのほうが折れた。
「わかった。わかったよ。今度な」
「ほんとですか!?」
「今度」という適当の代名詞なうえ、ピコピコしながら投げやりに言われて悲しかったけど、言質を取ってしまえばこっちのもんだ。
「絶対絶対、約束ですからねっ」
また普段と違う智樹さんが見れる! すでに勃起しそうな股間を気合いで押さえ込みながら、俺のお腹が鳴るまで狩りを続けた。
「あっ! ぁ…んっ、んあぁっ……」
冷蔵庫の残り物で作ってくれたご飯を食べたあと、「は!?」「今日!?」「今から!?」と渋る智樹さんを引き摺って服を脱がせて、一緒に湯船に浸かった。本当に一緒に入るだけかと思ってたみたいだけど、こんな状態で俺が何もしないわけがなかった。
「熱っ……熱い……っ! はう……っ」
「お湯、入って熱いね……溶けそう……」
後ろから抱え込んで、とろけてぐずぐずになってる体内を抉る。お風呂の中だと喘ぎ声が反響してエッチだ。
「あ――っ……! あっ……っ……」
「すっかり慣れちゃって……お尻、気持ちよくなってきた?」
「っるさいっ……嫌っ……ん、はあぁっ」
首筋にキスしながら乳首もくりくりしてやる。そうすると全身がびくっとのけぞった。快感に素直な身体。かわいい……。
「のぼせちゃったら、俺が綺麗にしてちゃんと寝かせてあげるから、心配しないで」
「あぅっ……んっ……っ」
「中、きついよ……乳首、気持ちいい?」
くいっと顔をこっちへ向けて、ちゅっとキスする。長く浸かっていたせいか、顔が赤くなって目もぽけーっとしてる。この体勢じゃ首、痛いだろうなと思ったけど、そのまま半開きの口にむしゃぶりついた。
「ふぁ……んぅっ……」
まだ自分から積極的に舌を絡ませてくれないけど、時間の問題だと思ってる。
「はふ……っむ、っぅんっ……」
最後にじゅっと強く吸ってから解放して、出すために強く突く。
「ひあっ! あぅうっ……」
「ん、いくよ……」
一緒にいきたかったから、智樹さんのも握って強めに扱いた。出し入れするたびに、お湯がぱちゃぱちゃ踊って音を立てる。
「あっ……お湯、汚れ……っ!」
「俺、掃除します。いいよ……我慢しないでいって」
脚を抱えて根本まで穿つと、智樹さんが先にいったみたいで、痛いくらいに締め付けてきた。俺も一緒に、一番奥で射精する……。
「うあぁっ……! あぅっ……」
「は、っ、すげー出てる……っ」
二人で一緒にイくと、智樹さんはぐったりと俺にもたれ掛かってきた。
「熱……い……」
「ごめんなさい……辛かったですよね」
智樹さんの息が落ち着くまで待ってから、「立てそう?」と聞くとこくっと頷いた。支えながら一緒に出て、壁を背にしてタイルの上に座らせる。
ぬるま湯に設定したシャワーを弱にして身体にあてがうと、気持ちよさそうに目を細めた。
「一緒に入るだけって……いっただろ……」
「ごめんなさい……だって……その、智樹さんの身体見てたら……我慢できなくて……」
そう言ったら、掠れた声で「馬鹿」って言われてどきっとした。恥ずかしいからじゃなくて、呆れて言った感じだったけど……。俺っていつもエッチしたあと何かしら謝ってる気がする。そういうことばっかしてるから自業自得なんだけど……切ない。
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あらすじ画面もご参照ください。l
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