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<6>素股編
「ただいま」
「あっ、お帰りなさい」
俺がパソコンで持ち帰った仕事を片付けていると、ガチャリと音がして、この家の主が帰ってきた。
俺は智樹さんの「気にするな」って言葉に甘えて、すっかりこの家に入り浸っている。ハタから見たら新婚さんみたいなんじゃないかな……と思うとニヤニヤしてしまう。向こうは全くそう思ってないみたいだけど……。
「お疲れ様です。ご飯食べますか?」
智樹さんは会議とかクライアントとの打ち合わせが集中してるみたいで、ここのところずっと忙しそうにしている。今日も俺より早く出かけて、俺より遅く帰ってきた。
「いや……いらない。もう寝るわ」
もう寝る……。俺は焦った。だって、最後にしたのって……確か土曜日だったから、もう五日もエッチしてない……。
「とっ、智樹さんっ」
部屋着に着替えてさっさと寝転がった恋人に話しかける。この人は電気がついてて明るくっても、平気で寝ちゃうから困る。
「なに……」
ほんとに眠そうだ……。これ以上話しかけたら怒られるかなと思ったけど、
「し、したい。したいよ……智樹さん」
ぎゅっと手を握りながら言った。病人に勇気づけてるみたいな絵面だ……。勇気づけられた張本人は、顔を顰めながら言う。
「だって……お前しつこいんだもん」
「う……」
グサッと特大の矢が心臓に突き刺さるが、その通りだから何も言えない。智樹さんの身体に触ってると、自分でもセーブがきかなくなってくるから……。
「智樹さんは? っ俺と、したくないんですかっ……?」
「別に」
うざったそうに、半分寝ながら言われる。カチンときて、一瞬頭が真っ白になった。いつも気持ちよさそうに可愛い声だしてよがってるくせに……。奥のほうガンガン突かれて射精しちゃうくせに……。無意識に繋いだ手を強く握ってたみたいで、智樹さんの顔が歪んだ。
「じゃあ、いいですよ。俺が勝手にやりますから」
「な……に……? っ!?」
ずる、と抵抗する隙を与えないままスウェットごと下着を剥いた。そのまま腰を高く上げさせる。
「っ……トモ! なんで脱が……す……ひっ」
俺もジャージごとパンツを脱いでちんこを太ももの間に差し込む。弛緩していた身体がびくっと跳ねて力が入った。
「もっと脚、閉じて」
「なにして……あっ!」
まだ萎えたモノを内股に挟んでゴリゴリ擦り付ける。女の子みたいに柔らかくて弾力があるわけじゃない。むしろ、力が入ってるから張って筋肉質だ。けど……
「っ……」
肌がすべすべですごい気持ちいい……。勝手にちゅるんと向こう側に滑ってく。
すぐ勃起して先走りが出てくると、動かすたびにちゅぷちゅぷと音がした。
「なに……っやってんだよ! お前はっ! 変態っ」
怒鳴る元気はあるんだから……。さっきまで大人しかったんだから、かわいく喘いでればいいのに……。俺は意地悪して、後ろから柔らかい袋を突いた。
「っ……!」
抜き差ししながら、つんつんしたりぐりぐりしたりする。
「あっ……やめ…ぅっ……」
突いてるうちにだんだんコリコリして固くなってきた。気持ちいいみたいだ。
「気持ちよくなってきた……?」
「よくないっ、よくない……」
素直になったら、もっと気持ちよくしてあげるのに……。俺は物欲しそうにパクパクしてる後ろの穴を、指先ですりすり撫でた。
「いれんな……絶対、いれんなよ……」
お笑い芸人のフリみたいな台詞。だって、こんなんなっちゃったら……智樹さんの中で……一番奥で出したいよ……。悲しい気持ちになりながら太ももに擦り付けていると、智樹さんもヨクなってきたのか、微妙に腰を一緒に動かし始めた。
「んっ…ふ……、っ……っ」
無意識に気持ちいいとこに当てようとしてるみたいだ。かわいい……。
「智樹さん? そんなに腰上げたら……」
「ぁっ、っ……!?」
「入っちゃうよ……?」
先走りを穴に塗り込んでから、約束を破ってずぷぷと奥まで挿入した。
「な゛っ……あ゛ああぁっ」
いれられるとは全く思ってなかったみたいで、中がびくびく痙攣してぎゅーっと締め付けて
くる。
「っ……すげ」
「う……ぁ……うあぁ……」
油断してて隙だらけだった穴、可愛すぎる。背中、うなじ、耳たぶにちゅっちゅと優しいキスをした。慰めるみたいに……。
「いれんな……て……言っ…のに……ぃ……」
「うん……嘘つきでごめんなさい……」
久しぶりの智樹さんの中、すげー気持ちいい……。もともとこうして繋がってるのが当たり前で、離れ離れの日常生活のほうが間違ってるんじゃないかって気がしてくる。すぐいっちゃいそう……。
「すっかりガバガバになっちゃって……」
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あらすじ画面もご参照ください。l
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