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初めての外出デート⑦

 「うーん・・・それもめちゃくちゃ良いな。結翔、次これな」  「へぁ?あ、はい・・・?」  僕は何故着せ替え人形の如く服を試着させられてるんだろ?  コテリと首を傾げつつもなんだか楽しそうな蓮先輩の顔を見ているとつい頷いてしまう。  ───服屋さんに入った僕たちは、お洒落な服屋さんにソワソワしちゃった僕を蓮先輩がリードしてくれる形で色んな服を見てたんだけど。  蓮先輩が何着か手に取ってたから、買うのかな?蓮先輩だったら何着ても格好いいんだろうなぁ、なんて思ってた。  試着室にも蓮先輩が入るんだと思って他人事みたいに蓮先輩を見上げてたら、すっごく良い笑顔で「はい、初めはこれな?」って服を渡されたんだ。  あれ?これ僕が試着するの?ってキョトンとしながらも反射で頷いちゃった僕は、試着室に入ってあんまり理解してないまま着替えたんだけど・・・サイズピッタリで僕に似合うように選ばれてあるだろう服を見てようやく「あ、これ僕の為に選んでくれたんだ」って認識した。  だってまさか蓮先輩が僕の為に服選んでくれるなんて思ってなかったし。  ジワジワ押し寄せる嬉しさとちょっとの恥ずかしさをないまぜにしたみたいな不思議な気持ちで着替え終わった僕は、ソロリとカーテンを開けるとそこには満面の笑みの蓮先輩が待っててくれていた。  「ん、やっぱ結翔は可愛い感じが似合う。次はコレな」  蓮先輩の笑顔に見惚れながらまたコクリと頷いちゃった僕、自分から見てもだいぶチョロい気がしてきた。蓮先輩にお願いされたら何も断れない気がする。  そんな感じで何度か服を渡されて、脱いだ服を蓮先輩に返して・・・って試着を続けた後が冒頭の状況。  物凄く楽しそうに次から次へと服を渡してくる蓮先輩に、僕のファッションショーの何が楽しいんだろ?ってちょっと困惑しだした次第です。  蓮先輩が僕の為に服を選んでくれるのは物凄く嬉しいんだけど、純粋に不思議で。何故そんなにも楽しそうなんだろう。  ・・・まぁ蓮先輩が楽しそうならなんでも良いか。  こうして最後の試着を終えて試着室を出た僕は、いつの間にやら蓮先輩の横にお洒落なお店の袋?バック?が置いてあるのに気付いた。  蓮先輩、いつの間に服買ったんだろう?僕も蓮先輩の試着見たかったなぁ。  そんな事を思って蓮先輩を見上げたけど、なんだか満足そうな蓮先輩にわざわざ言わなくてもいっかってそのまま口を閉じた。  正直蓮先輩が試着した姿に感想を求められても、ボキャブラリーが少ない僕は格好良いです!しか言えない気がするしね。  蓮先輩とのお出かけ・・・いや、デート!の為に!既に服は買っちゃってたから結局選んでもらった服達は買わなかった。  たくさん試着したのに・・・お店の人にちょっと申し訳ないなぁ。  蓮先輩の選んだ服、本当は買いたかったけどバイトもしてない僕は毎月お手伝い賃って言って貰えるお小遣いしかないから。今は我慢っ!  袋を持った蓮先輩は逆の手でまた僕と手を繋いでくれて。一気にふにゃふにゃになってしまった頬をそのままに蓮先輩に手を引かれて次のお店へと足を進めたんだ。

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