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凄く甘くて少しだけほろ苦い⑮
学校を出た後も蓮先輩と手を繋いだまま隣を歩く。
何回体験しても蓮先輩に手を繋いでもらえるのが嬉しくって、僕はすぐニマニマしてしまうんだ。
「結翔は二人三脚と借り人競争に出るんだろ?俺、めちゃくちゃ応援するな」
「ありがとうございます!僕、正直運動はからっきしなので不安ですけど・・・蓮先輩に応援してもらえるなら頑張れますっ!蓮先輩に格好悪い所なんて見せれませんからねっ、僕練習たくさん頑張りますっ!」
蓮先輩に関係する事についてはチョロい自覚がある最近、応援するって言ってもらえた、それだけで僕のやる気はグングン上がる。
それにさっき匠や陸や静にもたくさん励ましてもらったしね、クヨクヨしててもしょうがないよねっ!
手を繋いでいない方の手をグッと握って無い力瘤を作って蓮先輩に宣言した。
「ん、でも怪我はしないように気を付けて。それだけは心配」
「できるだけ・・・が・・・がんばります・・・!」
二人三脚の練習ですぐに擦り傷とか作っちゃいそうって思いながらも、蓮先輩に心配かけるのは本意じゃないから気を付けなければって気合を入れる。
でも運動神経って急によくはならないんだよね、なんて少し遠い目をしながらも気になっていた事を聞く事にした。
「蓮先輩は何に出るんですか?」
「あー・・・、なんでも良いって言ったらリレーと借り人競争と障害物競争に入れられてた。多いよなぁ。でも結翔に良い所見せないとだから俺も今年はちゃんと頑張るよ」
ふぉああ!他薦でそのラインナップって事は蓮先輩ってやっぱり運動神経良いんだなぁ・・・凄い!
瞳をキラキラさせて蓮先輩を見上げると、借り人競争はお揃いだなって笑ってくれた。
蓮先輩と同じ競技、嬉しいけどゆっくり見れなさそうでちょっと残念。蓮先輩の一挙一動見逃したくないのにぃ!だって絶対に格好いいもん。
でもリレーと障害物競争は僕出ないし、たくさん応援出来そうだ。
「僕も一生懸命蓮先輩の応援しますねっ!走ってる蓮先輩も絶対に格好良いだろうなぁ。なんだか体育祭、楽しみになってきちゃったかもです・・・!」
「・・・・・・結翔の期待に応えられるように頑張るよ」
朝、走り込みでもすっかなぁ、なんてボソリと呟いた蓮先輩。リレーに選ばれるって事は元々足速い筈なのに努力家なんだなぁ。僕も頑張らなくちゃ・・・!
「結翔、今日まだ時間ある?」
脈略も無く急に足を止めてそう聞く蓮先輩に内心コテリと首を傾げつつもコクリと頷く。
今日は晩御飯の買い出しも無いし、帰ってご飯作るにはまだ時間が早いからね。
「じゃあもう少し結翔の時間ちょうだい?そこの公園で話そう?」
最近気付いたんだけど、蓮先輩がお願い事する時ってなんだかいつもより可愛くなるんだよね。
格好良くて可愛いなんて蓮先輩はズルい。
うぐぅ・・・!って胸を押さえながらも何度もコクコクと頷いた。
嬉しそうにさんきゅー!って笑った蓮先輩に手を引かれて公園の奥のベンチに隣同士で座ったんだけど。
結構広いベンチの筈なのにすっごく距離が近いのです。
肩と肩が触れ合っちゃう・・・って言いたい所だけど、蓮先輩の方が背が高いから正確には肩と腕なんだけど。
なんて要らない事を考えて気を逸らしていると、僕の手を離した蓮先輩の腕が僕の腰に回る。
グイッと引き寄せられて蓮先輩の胸元に頭を寄せてしまった。
さっきまでの穏やかな空気から一変、なんだか甘やかな雰囲気に顔が熱くなって蓮先輩の胸元に顔を埋めたんだけど。
すぐに僕の顎を蓮先輩の大きな手で掬われてそのまま顔を上げさせられた。
・・・・・・顎クイ!?
───・・・なんて悠長に思っていられたのは一瞬だった。
そのまま蓮先輩の少し冷たい唇が重なり、すぐににゅるりと熱い舌が僕の口内に入り込んで。
そのまま味わうようにネットリと這い回る柔い快感に、僕の頭はココが外だとかの雑念ごと全部すっぽ抜けてしまい、その快感を与えてくれる蓮先輩に縋り付く事しか出来なくなったから。
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