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第41話 触れ合う
ジェスから“抱きたい”と言われ、熱のこもった視線を浴びせられてたまらずジェスの胸に顔を埋めてしまった。彼の視線に耐えられない。ジェスのシャツをぎゅっと握って身を委ねる。
こんなにどきどきするのは、身体が熱くて熱くてたまらないのは、エミリオ自身もジェスを求めているからだ。
我慢してきた願いが、いま叶おうとしている。
ただ首を縦に振ればいいだけだ。なのに、勇気が出なくてそれができない。
「ジェスさん……」
切なく名前を呼ぶことしかできなくて、呼吸が苦しくなる。
なんとかして自らの意思をジェスに伝えたくて、エミリオはおずおずと手をジェスの首に回した。
「煽るなよ、エミリオ」
苦笑しながら、ジェスはエミリオをきつく抱き締める。
これで伝わっただろうか。自分の気持ちを素直に言葉にできない弱さが嫌で仕方ない。
身体がここまで密着したら、鼓動がジェスにも伝わっているかもしれない。恥ずかしくて、もどかしくて、この熱をどうにかしたくて、エミリオは小さく、「大好きです」と囁いた。
「それは、受け入れてくれたってことでいいんだな……?」
確かめたい。ジェスが本当に愛してくれているのか、知りたい。それ以上に、自分ももう限界だ。
「…………」
「エミリオ」
唇が重なった。そして、一瞬の隙を突かれて身体を抱きかかえられてしまった。横抱きにされて、ふわふわした浮遊感に思わず目を見開く。
ジェスに抱き上げられて、そのまま部屋の隅のベッドまで運ばれた。
「軽いな」
「っ……!」
ジェスがふっと笑う。急なことに驚き、緊張してしまってエミリオは言い返せない。そのままベッドに寝かされると、今度はジェスが覆いかぶさってきた。
「やっ……ジェスさん……!」
「駄目じゃないんだろう?」
「……っ、うう」
「ひどいことはしない。約束する」
手首を掴まれベッドに押さえつけられる。逃げられない、と自覚した途端、なぜか安心感が湧き上がってきた。
何度も何度もキスをして、心が落ち着いてきた頃にジェスの手がシャツの裾から滑り込んできたのには驚いてしまう。
「ひゃっ……!」
「すべすべだな。腰も細くて、すごくそそる」
「恥ずか、しい……です」
ジェスがエミリオのシャツのボタンを上からゆっくり外していく。裸を見られるなんて恥ずかしくて何も言うことができない。けれど、ジェスになら暴かれてもいい。相反する感情がずっと胸の内で渦巻いている。
前を開かれ、薄桃色の胸の突起があらわになったと思ったら、ジェスの舌先が突起の先端につん、と触れて悲鳴が漏れてしまった。
「やぁあっ……」
「可愛いピンクだ」
指でも愛撫されて、羞恥に身を捩る。
くりくりと転がすように両方の突起を弄ばれて、エミリオの中心は気付けば硬く勃ち上がっていた。
「乳首もこっちも硬くして、思った以上に感度がいいんだな……可愛いよ、エミリオ」
「そんなこと言わないでください、は、恥ずかしくて死んじゃいそうです……」
ちゅう、と乳首を吸い上げられて、エミリオは胸を突き出すように身体を震わせた。恥ずかしいけれど、もっとしてほしい。ジェスが触れる場所すべてが熱くて心地よくて、無意識にその身を差し出してしまっていた。
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