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第44話 とろける身体
「大丈夫か?」
呼吸がようやく落ち着いてきて、ジェスの言葉にこくんと小さく頷く。それを確認して、ジェスはまたキスをした。何度目かもわからないキスが心地よくて仕方なかった。
「息吐いて、力抜くんだ」
「ん、っ……」
「そう、いい子だ――ゆっくり慣らしていこうな」
最初はとば口を指先でつぷつぷと弄り、怖がるエミリオを安心させようと囁きかけながら蕾をほぐし始めた。吐息を含んだジェスの声が腰に響いてきて、下半身がとろとろにとろけてしまいそうだ。
「ジェスさんっ……こんなの、やっぱり……」
「んー? ちゃんと上手に俺の指を飲み込んでるぞ? それとも痛いか?」
「いた……くないけど……恥ずかしいです……」
ぎゅう、と目をつぶると滲んでいた涙がこぼれていった。エミリオが怖がる様子を見て、ジェスは指を動かすのをやめる。ゆっくり、という言葉通り、時間をかけて解していくつもりらしい。
ジェスの行動によって愛されていることを実感し、エミリオは胸の奥が締め付けられるのを感じた。
「ゆっくり慣らすとは言ったけど、あんまり時間かけるとずっと恥ずかしいまんまだぞ?」
笑うジェスをエミリオは潤んだ目でにらむ。なんの迫力もない視線にさらに笑いを堪えながら、ジェスはピンク色の乳首に舌を這わせた。蕾が花を咲かせるまで、こちらの可愛らしい果実を楽しもうということらしい。
じわじわと広がる快感に、エミリオは甘い声を溢れさせた。
「あ、あっ……」
「よし、いい具合に力抜けたな」
感じている隙に指が滑り込んでくる。中の感触を確かめるように、くるりと円を描く指先に翻弄されてしまう。
――気持ちいい。
最初は異物感しかなかったはずなのに、エミリオのペースに合わせてじわじわと指を動かされ、おかしな感覚にとらわれる。
もっと奥まで指が入り込んだら、どんな感覚に陥ってしまうのだろう。
ぐちゃぐちゃになっている頭の中でそんなことを考えていると、ジェスの指が一際大きな円を描いた。頑なだった蕾を大きく広げられ、エミリオは背中をのけぞらせて悲鳴を上げた。
「――ッ、んんぅ……!!」
「悦くなってきたか? こっちも可愛がってやろうな」
ちゅうう、と乳首をきつく吸われながら下を指で犯されると、もうわけがわからなくなってしまう。全身がびくびくと震え、快楽の波に飲み込まれてしまう。
「だめぇ……っ、ジェスさん、やだっ……」
「大丈夫、気持ちいいんだろ? 先走り出ちゃってるぞ?」
からかうように肉茎を握り込まれ、ゆるゆると扱かれると弾かれるように足を閉じてしまった。けれど、ジェスの手が膝をつかまえてすぐに股を開かされてしまう。足首に引っかかっていた下着は取り去られて、下半身はすべてを曝け出していた。恥ずかしいなんていう気持ちを通り越して、消えてしまいたいとさえ思う。そんなエミリオを宥めるように、ジェスはまたキスをした。
「んッ……」
「気持ち良くなくて、嫌だっていうなら俺の顔ひっぱたいていいぞ」
冗談まじりに言うジェスを見つめ、そんなことできるわけがないだろうと涙目で睨みつける。大好きなジェスを叩くなんてできないし、何より、身体は素直に気持ち良くなっているのだから。
エミリオはジェスの背中に腕を回して、シャツに皺ができるくらいきつく握りしめた。
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