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男は車から降り、車の後ろのトランクへと向かう。上に開いたその中には、使い込まれた箱が半分程度の場所を占領していた。一人でそれを取り出し、慣れた手付きで車より少し離れた場所で広げていく。
鍋をはじめとした、料理をするためのものが次々と出てくる。
完全に中身を出したところで、木箱だったものは簡易的な椅子へと変化していく。
その光景を少し離れたところで眺めていた青年。意外な動きに男をじっと見ている。
すると、彼の方へ男が近寄りながらポケットに手を入れて何かを探している。
「あ、悪い。火起こしやってもらっていい? あの椅子の中央あたりにそこの薪を組んで」
手にはいつも使っているライターがあり、青年の方へと向けていた。これを使え、と行動で示す。
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