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第4話 既視感が実感へと変貌する

 瞳にかかるチカちゃんの前髪を指先で寄せた。  差し込む眩しさに、光を乱反射するチカちゃんの潤んだ瞳が俺を見上げる。  少し苦しげに寄る眉も、縋るようなその視線も、俺の下半身を直撃する。  イくのが、惜しくなる。  迫り上がってくる射精感を、なんとか()なす。  弾けた先に待っているのは、ゴムの(たわ)み。  1滴たりともチカちゃんに触れるコトは、ない。  どうせ汚せないのなら。  奥まで辿り着くコトが、出来ないのなら。  肌でも良い……、直に触れたい。  チカちゃんの頭を柔らかく撫で、熱の籠る息を吐く。 「ねぇ…。ゴム、外したい」  少しだけ瞳を游がせたチカちゃんは、名残惜しそうに口からペニスを吐き出した。  唾液が、だらりと糸を引く。  手でペニスを扱きながらも、器用にゴムを外したチカちゃんは、落ちてくる長い髪を耳にかけ、再び口腔内へ迎え入れようと舌先を伸ばす。  そんなチカちゃんの肩を掴み、動きを制止した。 「ここで良いよ」  空いている手でチカちゃんの裏腿を、むにゅりと掴む。  きょとんとした瞳で俺を見上げるチカちゃんの脇に手を入れ、身体を起こさせた。  チカちゃんの下になっている脚を引き抜き、ベッド脇に降り立つ。  ぺたりとベッドに座り、俺の動きを瞳で追っていたチカちゃんの背後に周り、腰を掴んで引き寄せる。  ぐっと腰を持ち上げれば、頭がベッドへと沈み、俺の目の前にはガーターベルトが這う腿が曝される。  尻を高く上げた格好で固定されたチカちゃんは、何が起きているのかと俺を振り返る。 「ここ閉じててね」  両腿を合わせ、きゅっと閉じさせた。  ぬるぬるになっている俺のペニスを腿の間に押しつける。  俺のしようとしているコトを悟ったチカちゃんは、内腿に力を入れ、脚を閉じる。  存在しない隙間に、ぐにゅりとペニスを捩じ込んだ。  乾いた肌に滑りを奪われ、ペニスが引き攣る。 「……、っ」  思った以上に滑りが悪く、軽い痛みに息が詰まった。  チカちゃんの上から覆い被さるように胸の中に抱え込み、ベッドヘッドの棚に置かれたローションに手を伸ばす。  ………ぁ。  俺は、気づいてしまった。  この抱き心地、………覚えがある。  既視感が、実感へと掏り替わる。

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