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衝撃的な出会い 2
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「…で、生徒会長が俺に何の用があるんですか?」
「用は別にない。」
「はぁ?」
校舎の裏に引きづられるように連れてこられた挙げ句、用はないって。
ふざけやがって!!
しかも初対面だから一応敬語使ってやったのに、もう知らねー!!
「用がないなら、なんでこんなとこ連れてくるんだよ!」
「渚が逃げるからだ。」
こいつまで下の名前で呼びやがって…
「ってか、なんで生徒会長が俺の名前知ってんだよ!」
「おい…いい加減、その生徒会長って呼ぶのやめろよ。」
答えになってねーし、どう呼ぼうと勝手だし。
「…知るか!答えになってねーんだよ。」
「…優人って呼べよ。」
「はぁ?」
「オレの名前知ってんだろ?」
そりゃー芸能人…違っ、有名人だし、
名前くらいは知ってるよ、あと豆知識。
「名前と豆知識くらいは…」
「豆知識?なんだそれ。」
「……。」
まさかご本人に、向井から聞いた噂というなの豆知識なんか言えるわけねー。
「まぁ、いい。これからは優人って呼べよ。」
「だーかーらー!なんで今日初めて会ったヤツの事、下の名前で呼ばなきゃなんねーんだよ!!」
付き合ってらんねー
誰だ、格好よくてクールで秀才なんてデマ流しやがったのは。
…まるで違ったな。
頭悪そーだろ、あきらかに。
まだ俺の方がマシだっつーの。
「帰る!!」
さっさと帰ってアイスでも食おーっと。
冷蔵庫の中のアイスを思い出し今日は何味にしようかなんて思っていたら、
いきなり、腕を強く掴まれ制服のネクタイを引っ張られた。
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