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衝撃的な出会い 14
相変わらず重心はかけたままだけど、
橘は話に気をとられて気が緩んだのか腰の辺りが少し軽くなったような。
今ならいけるかも!
もう一回、身体をよじり押し退けてみたら、今度はなんとか退けられた。
よっしゃー!
いまだ携帯で話続けてる橘を横目で睨み、
脱がしかけのズボンを片手で抑え、俺はドアまで駆け寄る。
この必死さ……誰にも見せられねぇ。
男に犯されかけて半ケツ状態でヒーヒー必死こいてるなんて。
あぁ………情けなねー。
とーちゃんかーちゃんこんな息子でゴメン……。
いやいや、落ち込むの後回しだ。
ドアドアドア……
…………ガチャン
あれ?
くそー!なんで開かねーんだ!!
人間とは、焦ってるときほど単純作業が出来ないわけで、
ガチャガチャガチャ……
ドアノブを回すだけで、鍵を開けるっつーことまで頭が回らないバカな俺。
あーーもうっ!!
あの変態野郎いつの間に鍵なんかかけやがったんだっ!!
ガチャガチャガチャガチャ……
「………渚、何してんだよ。」
「な、なにって、ドアが開かねーんだ………よ。」
「ふーーん。」
や…ばい。
ヤバいヤバいヤバい!!
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