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イジワルな恋心 4

「なぁ?おまえ望月のこと知ってた?」 「……いや、知らないです。」 「なんだよ、同学年なんだから敬語とかやめようぜ。」 「で、でも……」 「星川くん、今日からほっしーって呼んでいいだろ?」 「ほっしー?!」 なんだよ、そんなびっくりすることか? 「会計と書記仲良くしよーぜ!」 バンッと肩を叩いたら、ゴホゴホとむせだした。 こいつ、大丈夫かよー マジで橘の友達なのか?! 「星川!相原!席に着け、始めるぞ。」 「はいっ」 「は…はい」 …………ん? なんか違和感。 そうか、橘が俺のことを相原って呼んだからだ。 あ、でも今はその他大勢が居るからか。 橘と黒瀬先輩は2人並んで一つの資料を読んでて、俺とほっしーも資料に目を通しつつ、望月の説明を聞いていた。 * 「……と、言うわけでとりあえず、こんなもんだ。新役員でする会議も初だから今日はこのぐらいでいいだろ。」 望月の話が終わり最後に、生徒会長である橘が少し説明を付け加え、初会議は終了した。 昨日の今日で橘に会ったら、俺のバカ息子が疼きだすのかと心配したけど、そんなこともなく無事終わった。 ただ、思い過ごしかもしれないけど……橘は今日、俺と会ってから一度も目を合わそうとしなかった。 それに、最後まで“相原”と呼んでいた。 よくよく考えてみたら、橘と初めて会った時からアイツはどんな場所でも俺を“渚”と呼んでいて一度も呼び方を変えたことはなかったのに…… なんだか、胸の奥の方がチクッとした。

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