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イジワルな恋心 6

* 「おい…相原、今日の昼飯これだけか?」 俺の机の上にはメロンパンと牛乳だけ。 「コロッケパンも焼きそばパンも売り切れだったのかよ?!」 「いや、いつもより一杯あったよ。なんか、おばちゃん今日は早起きしたからいつもより50個多く作れたって自慢してやがった。」 「じゃあ、なんでメロンパンなんだよ?!相原がコロッケパンも焼きそばパンも食わないなんて、具合悪いんじゃないのか?!」 「そーゆー気分じゃないだけだよ、気にするな。」 なんだかわからないけど、コロッケパンも焼きそばパンも見たくなかっただけ。 別に具合が悪いわけでもねーし、俺はいたって健康だ。 「そーいやぁさぁ、噂本当なのかな?」 タコウンナーをほうばりながら、向井は口をもぐもぐさせながら切り出した。 「生徒会長と副会長が付き合ってるって噂だよ。」 「ウエッ…ゴホッ!ゴホッ!」 飲んでた牛乳がむせて逆流したじゃねーか。 「大丈夫かよっ」 「だ…だいじょーぶっゴホッゴホッ」 「しかし、やっぱり美男美女がくっつくように世の中出来てんのかねー。俺も黒瀬先輩と付き合いてーなー」 橘の話題になった途端、なんか胸の奥がモヤモヤしてメロンパンが不味くなった。

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